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自然に近い形で 登山道の修復を学ぶ

2024年10月24日 20:03
自然に近い形で 登山道の修復を学ぶ

上野キャスター)登山道の維持・管理をテーマにお伝えしているシリーズ「山と人をつなぐ」です。
数家解説委員)今回は登山道の修復です。登山道は歩いたり、雨で水が流れたりすることで次第に侵食されていきますが、自然に近い形で修復する方法を学ぼうと、ボランティアが参加して初めての講習会が開かれました。

今回の講習会は、県自然保護協会が主催して、協会のメンバーや環境省職員、ボランティアなど10人あまりが参加しました。

薬師岳登山の入り口、折立近くの登山道は以前から侵食が激しく、速やかな修復の必要性が高まっていました。

県自然保護協会 大宮徹 副理事長「公共工事だけではどうしてももうできない、そういった所をボランティアの力で何とかしていこうというようなことを、もっと広めて皆の力でですね、山を直していこうということをこれから始めたい」

今回、修復するのは、腰のあたりまで深く浸食が進んだこの地点。階段状にステップを組み、埋め戻して足場を高くしていきます。

登山道コンサルタント 勝俣隆さん「皆さん頭の中で多分それぞれのステップがあると思うんですけど、皆さん1本ずつ下から、自分だったらどこに置くかなっていう場所に置いてみましょう」

指導したのは、登山道コンサルタントの勝俣隆さんです。

作るステップがイメージしやすいように、まずは細い木を置いていきます。登山道の幅に合わせて高さの目途をつけていきます。

勝俣さん「埋め戻す量的にも地形とちゃんと合っているし、いいんじゃないでしょうか」

これを元に木を切り出していくため、長さを測っておきます。

ステップの材料には、登山口近くで伐採された木を活用します。大きいものは直径が30センチ近くあります。

「重さ何キロぐらいですか?」「分からない、おコメより軽い」「30キロぐらい?」「30キロない」

参加者「こんなもの持って歩くのは初めてなので、ちょっとつらいですね」

ステップを作る材料となるのは、登山道周辺で集めたものばかり。金属製の杭やワイヤーなどは使わないため「近自然工法」と呼んでいます。

勝俣さん「この一番長いのは1本目に使いましょう」

1本目は登山道の脇を掘り、長さを合わせて埋めていきます。

「今度はあっちが高いですかね」「どっちが高いですか」勝俣さん「いいんじゃないでしょうか、素晴らしい」

ステップは、杭を使わないで済むようジグザグに組んでいきます。ステップとステップの間には、上から流れてくる土砂をためるプールの役割があります。これが「ステップ&プール」の手法です。

すき間には短く切った枝や落ち葉のほか、沢からすくい上げた土砂を入れて埋めていきます。修復開始からおよそ4時間、この日の作業を終えました。

参加者「これは素晴らしい」「いいねー」「実際に木を並べ始めた時に、どうなっちゃうんだろうと、きょう帰れるかなと思って」「本当にきれいだよね」「すごい」

修復方法を指導した勝俣さんは、今後の広がりに期待を寄せます。

勝俣さん「自然と楽しむ方法が登山だけではなく、整備もし続けるような方向ができるんではないかなって、ちょっと夢を見れました」

参加者「やはり1回やって終わりではないと思いますし、私も地元の人間であり、地元で働いているので、そこを生かしてこれからも継続的にこういった活動を行っていければと思います」「もっといろんな人を巻き込みたいですね」

上野)多くの人が参加しながら修復していくという、新しい持続的な仕組みができるといいですね。
数家)この他の登山道も維持・管理が課題です。取り組みの輪が広がることを期待します。

最終更新日:2024年10月24日 20:03
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