北陸新幹線開業10年 どうなる大阪延伸 混迷するレールの行方
北陸新幹線の富山開業からあさってで10年、今週は新幹線と富山の今とこれからをお伝えしています。きょうは全線開業の見通しが立たない敦賀から西、新大阪までのルートについて考えます。
来月開幕する大阪・関西万博。
10月までの半年間、大阪の夢洲を舞台に開かれます。
関西で万博が開かれるのは、1970年の大阪万博以来55年ぶり。
当時、万博への輸送の主役は鉄道でした。
富山からも大阪まで直通の特急や急行が多くの入場客を運びました。
関西への関心高まらず「足が遠のいているのが現状」
しかし…
県旅行業協会・桶屋諭喜会長「(関西へは)乗り換えを含めるとみなさんの感覚的には、足が遠のいているのかなと思えるのが今の現状かと。サンダーバードが走っていた頃よりは(行ってみたいという)声というのはなかなか生まれないのが今の環境かと」
県旅行業協会の桶屋諭喜会長は、万博、そして関西への関心が高まらない背景には、北陸新幹線の現状もあると話します。
10年前の2015年、北陸新幹線の富山・金沢開業で、東京までは乗り換えなしで2時間余りで行けるようになった一方、関西、名古屋方面は直通の特急がなくなりました。
去年3月の敦賀延伸で所要時間は短縮されましたが、乗り換えが必要なことは変わりません。
福井県・小浜を経由して京都に至るルートを決定も
期待される新大阪までの全線開通、しかしその先行きは、いま、混迷を深めています。
2016年、新幹線計画を検討する与党の整備委員会は、敦賀から先について、福井県の小浜を経由して京都に至るルートを決定しました。
小浜商工会議所青年部・北山政道会長「北陸新幹線への思いを熱く持ってもらい、小浜ルート開業に向けての思いを少しでも伝えられるように」
国は当時、工期を15年と想定し、2046年の完成を目指すとしていました。
しかし、このルートは京都市内を地下トンネルで通る大工事。
建設資材の高騰などもあり、建設費の想定は物価上昇などを考慮すると当初見込みの2.5倍近い5兆円程度まで膨らみました。