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富山県内数千…石川含むと万単位 鳥居や墓石など石材被害 能登半島地震

2024年3月21日 19:50
富山県内数千…石川含むと万単位 鳥居や墓石など石材被害 能登半島地震
能登半島地震では県内の墓地や神社などでも被害が相次ぎました。

県内の石材店からは、修復の依頼が殺到していて対応が追いつかないという声が聞かれます。神林記者のリポートです。

鳥居の修復が行われていた南砺市の神社です。

地震で、柱の上にのる数百キロはあるという「笠石」がいつ崩壊してもおかしくない、危険な状態となっていました。

山岡石材工業 諏訪邦夫主任
「多いですね、今のところ。鳥居の方は毎週のように現場行っています、復旧工事の」

地震後、県内では神社の玉垣や鳥居などに被害が相次ぎました。こうした被害は、多くの墓石が経つ墓地でも。

神林賢範記者
「氷見市内の墓地に来ています、震災から2か月以上経過していますがこちらのような液状化被害、そしてあちら、墓石が倒れるなどの被害が手つかずで残されています、その修復には相当な時間がかかるとみられています」

氷見市の沿岸地区にある寺院、常通寺です。この地区は建物の倒壊など市内でも被害が大きく、寺ではおよそ200ある墓の半数以上が倒壊などの被害を受けました。修復にあたった石材店は被害の大きさに驚いたといいます。

山岡石材店 山岡弘之社長
「液状化に関しては、こんなひどいことになるとは全くの想定外でした」

古い墓石の倒壊だけでなく、比較的新しい墓石も液状化現象の影響で傾くなどしていました。

山岡弘之社長
「この墓も、相当昔のものなので、どうしても昔のもので耐震施工してないものに関しては、このように落ちてしまうと…」

会社には、墓石や鳥居などの修理の依頼が数千を超えていて、対応に追われていると話します。

山岡弘之社長
「震災発生直後は、人が通って危ないところを優先して。まだまだ応急処置が必要な所はたくさんあるんですけども、いま少しずつ応急処置から補修、補修に移行できてきたかなと。富山県内だけでも数千件、石川も含めたらおそらく万単位になってきますから、全然間に合わない状況ではありますね」

山岡社長は、中には地盤改良など大規模な工事が必要なものもあり、全ての修理を終えるには数年はかかると見ています。

山岡弘之社長
「皆さんお盆までには何とかなるんでしょという声も多いんですけど、私たちからしたら『申し訳ございません、1年2年単位でございます』とお答えするしかできないので…、私らもできる限り工法に工夫をして、皆さんの負担が少しでも軽くなるように 施工努力していかないといけないと思っています」

地震以降氷見市には、壊れた墓から市内の合葬施設に遺骨を移したいとする「墓じまい」の相談が増えているということです。

地震の深い爪痕が様々なところに残っています。
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