どんな対策が必要 熱中症特別警戒アラートとは
24日に運用が始まった「熱中症特別警戒アラート」について、気象予報士の数家キャスターが解説します。
数家解説委員
「熱中症特別警戒アラート」はこれまでの「熱中症警戒アラート」よりも一段強い呼びかけで、広域で過去に例のない危険な暑さが予測されるときに、最大限の警戒を呼びかけるものです。
去年の夏、富山県内では記録的な暑さが続き、富山市では8月の平均気温が観測史上初めて30度を超えました。また、年間の猛暑日も統計開始以来最も多い30日でした。熱中症で救急搬送される人の数は県内でも年々増えていて、去年5月から9月までで772人が搬送され、3年前と比べると2倍以上増えています。
全国でも異常な暑さが続いていて、新たに「熱中症特別警戒アラート」の運用が始まりました。
上野キャスター
これまで発表されていた「熱中症警戒アラート」とはどう違うんでしょうか。
数家解説委員
気温・湿度などをもとに推計した暑さ指数の予測値が、県内に9つある観測地点のいずれかで33を超えると出される「熱中症警戒アラート」に対して、「特別警戒アラート」は県内すべての観測地点で暑さ指数が35以上と予測される場合に、前日に発表されます。発表された場合は、自分自身だけでなく周りの人の命を守る対策もとることが重要となります。
環境省などは熱中症予防に加え、外出やイベントの中止・延期、リモートワークへの変更などを検討するよう呼びかけるとしています。
また自治体は、冷房を備えた公共施設などを事前にクーリングシェルターとして位置づけたうえで、熱中症特別警戒アラートが発表された場合には開放することが義務付けられています。KNBの調べでは県内15の市町村でクーリングシェルターを指定している自治体はなく、多くが今後検討するとしています。
上野キャスター
富山地方気象台によると、5月から7月にかけて気温が高くなる見込みです。熱中症予防に気をつけていきたいですね。
数家解説委員
熱中症を予防するには、こまめに水分補給をすること、屋内だからと油断せず暑さを感じたら涼しい場所で適度な休憩をとることが大切です。アラートの有無にかかわらず早め早めの熱中症対策を心がけましょう。