【解説】紆余曲折続いた高岡テクノドーム別館整備
スタジオには県政キャップの神林記者です。高岡テクノドーム別館の整備を巡っては、これまで紆余曲折が続きました。
最初にこの話が出たのは5年前、つまり前の知事の時代です。 当初の計画では2023年3月までの完成を目指すとしていました。
もう完成していたかもしれないということですね。
新田知事は2020年の就任後に別館整備について、建設費の圧縮を期待して民間活力を導入し、改めて精査する方針を示しました。しかし、その後、ウクライナ情勢の悪化や円安の影響で、建設資材などが高騰し始めます。建設費は圧縮どころか、当初の予定のおよそ1.7倍、46億円あまりに上振れしました。それでも、去年実施した入札に業者の応募はなく、知事は計画の見直しを迫られました。
2023年6月県議会・新田知事
「資材価格を単に反映させただけでは建設の受注を期待するのは難しいことなどから、設計を含めて一度立ち止まって検討する必要があると考えております」
当初の計画を立ち止まって見直しているということなんですね。
設計内容の見直しが迫られた状況は、建設地の変更に至った県武道館の紆余曲折と重なります。この現状について新田知事は。
5日の会見・新田知事
「PFIは法律に基づいてやるのでステップを踏んでやるので時間がかかることは事実です。ちょうどそこと諸物価高騰の流れが来たということで、ある意味では致し方なかった」
テクノドームを巡っては、2023年秋に本館の改修の話が持ち上がり、現在は本館と別館との一体での整備を検討しています。ただ、予算額は入札不調に終わった別館の整備予算46億円に収まるよう検討していて、大幅な縮小が見込まれます。
県議会議員からは、スピード感がない、遅れるのは仕方ないにしてもどのようによいものになるのかを説明してほしい、などといった声が聞かれました。また、県に別館の整備を求めている高岡商工会議所は「新幹線効果で、ニーズのあるコンベンション機能は重要。内容についてはこれから県と意見交換をしていきたい」とコメントしました。
知事は別館整備について県議会で「何のために何をつくるのかという議論が足りなかった」と発言し、波紋を呼んだこともありました。計画から5年。建設費の高騰が今後も続くことが予想される中、県の決断の遅れるほどに、状況は悪化しています。