富山県内の観光地 にぎわい回復に期待 春節での訪日客
アジア圏で旧正月「春節」の大型連休が、2月10日から本格的に始まります。 日本での新型コロナの位置づけが5類になって初めての春節で、県内の観光地は、賑わいの回復に期待しています。
海外から多くの観光客が訪れる砺波市の庄川峡です。
梅本晃弘記者
「中国や台湾から訪れる観光客のお目当てはコレ、雪や雪の景色なんです」
遊覧船の船着き場には装飾が施され、観光客を歓迎していました。庄川峡は、雪景色が楽しめることから特に台湾からの観光客に人気があるということです。
8日も景色を楽しむツアー客の姿がありました。
「富山には初めてきました。景色がきれいで雪が魅力的です」
このツアー客たちは、チューリップ四季彩館から庄川峡を経て岐阜県へ向かうということです。庄川遊覧船によりますと、能登半島地震の影響で、予約キャンセルはいくらかあったものの、1月の乗客数は2023年の2.7倍まで伸びました。うち9割以上が台湾を中心とした海外観光客でした。
遊覧船の予約は2月10日からの3連休から、2月末にかけて満席状態が続くということです。
庄川遊覧船 境不二夫支配人
「地震があったものですから、一時的にちょっとキャンセルなんかもあったんですが、台湾の方からも心配やらお問い合わせを頂戴して、積極的に応援いただいているのかなと思うくらいたくさんの方に来ていただいております」
南砺市の世界遺産、五箇山の合掌造り集落です。積雪は例年より少ないものの60センチほどあり、雪目当ての海外客の入り込みに期待しています。
集落では、観光客に貸し出す長靴と傘を用意していました。心ゆくまで雪を楽しんでもらう考えです。
相倉合掌造り集落保存財団 中島仁司事務局長
「雪見たさに来ている外国人の方が非常に多いので、雪を見て感動して、雪の中に飛び込んでいくっていうお客様も多い中で、もともと海外のお客様が非常に多い月でありますので、こういうときですからせっかく来ていただいたお客様に満足して帰ってもらいたいと思っています」
集落では、能登半島地震で大きな被害はなかったものの宿泊などの予約にキャンセルが相次ぎました。北陸全域が被災しているという印象が広まったとみていて、1月の訪問客数は2023年の7割に留まったということです。冬場の観光客の大半が海外客という集落では、2024年の春節に強い期待を寄せています。
中島仁司事務局長
「観光で得た収入をもって、この集落を健全に保存していきたいと思いますので、多くの方に楽しんでもらって、これからもきれいな相倉集落を維持していきたいと思っています」
新型コロナウイルスの影響で2020年3月から運休が続いていた富山・台北便は、2023年、3年ぶりにチャーター便として再開しました。1月末からは臨時便の運航が始まっています。
「地震は全然気にしていない 北陸でたくさんお土産買って 経済を回したい」
県内の観光地は、震災の影響に懸念を抱きつつ、コロナ禍前の状態へ戻る機会を探っています。