物価高続く中 工夫を続ける学校給食の現場は 舟橋村
止まらない物価高が子どもたちの学校給食を直撃しています。
押し寄せる値上げの波に対し工夫を続ける現場を取材しました。
「きょうの給食は…パンある!パン!ラッキー!ハムステーキ、フレンチサラダ…」
舟橋村の舟橋小学校です。学校生活の中で、子どもたちが楽しみにしているのが
Q学校で何が一番たのしみ
「給食!絶対給食」
「給食と体育」
一方、給食をつくる現場は続く物価高に悩みを深めていました。
松井ちひろ栄養教諭
「油にしても調味料にしても、毎日飲んでいる牛乳とかあとご飯とかも、本当に全ての食材が持続的に上がっているのがすごく困っています」
取材した5月18日の献立です。食パン、ハムステーキ、フレンチサラダ、レタススープ、スライスチーズ、それに牛乳です。
1食あたりの予算はおよそ300円。
パンも牛乳も、4年前と比べ2割以上値上がりしています。
調理に欠かせない油はおよそ1.6倍値上がりました。
給食の献立は学校給食法を基に定められた11項目の摂取基準を満たす必要があり、食材選びにも苦労しています。
松井ちひろ栄養教諭
「簡単に食材をなくせないところも厳しいです。高いからやめてしまうと栄養もとれなくなってしまうので」
食材費の値上げ分については、これまで、県内自治体のほとんどが補助を出して保護者の負担を抑えてきました。
しかし、2024年度からは高岡市や砺波市など7つの市町村が保護者負担額を引き上げました。
物価の高騰が続くことや補助に充ててきた国の交付金が終了したことが大きな要因で、小学生の場合、保護者負担は1食あたり15円から30円、月あたり300円以上それぞれ上がりました。舟橋村では2400円のアップです。
また、県内で最も給食費の高い富山市は今のところ保護者負担を据え置いているものの「さらに物価が高騰する場合は負担の増額も考えられる」としています。
止まらない物価高に対し、給食をつくる現場は限られた予算の中で工夫を続けています。
澤武理恵子調理員
「これがきょう企業から提供してもらったレタスです」
この日、スープに使ったレタスは、中間業者をはさまず村が地元の農家などから直接買い取って購入費を抑えました。
また、サラダのパイナップルを生のものから缶詰に変更したり、油の使用量を抑えるためハムステーキの調理法を変更したりしました。
しかし、こうした工夫も限界があると訴えます。
松井ちひろ栄養教諭
「給食を食べて美味しかったなと満足してほしいので、できるだけ子どもたちには分からないように、使うところには使って見えない部分で価格を抑えるような工夫をするようにしています。本当に私も探りながらやっている状態で…難しいです」
この物価高で舟橋小学校ではこれまで児童の誕生会にケーキを出してきましたが、今年は予算が合わず諦めたということですが、校長先生が、別の形でお祝いしようと手作りの切り紙のプレゼントをあげたということです。