22年前に盗難被害…文殊菩薩座像の台座を復元 山口市・興隆寺で開眼供養 彩色は馬場良治さんが担当
22年前に盗難被害にあった山口市の寺の仏像の台座が復元され、23日開眼供養が行われました。
山口市の興隆寺で行われたのは、文殊菩薩座像の台座復元・開眼供養。
この寺では2001年釈迦堂に納められていた仏像と台座が盗まれ、容疑者は逮捕されて仏像は戻りましたが、台座は行方不明となっています。
このため台座を山口大学の教授らが彫刻し、宇部市の日本画家で、文化財復元の第一人者=馬場良治さんが、彩色することで、復元しました。
(興隆寺 市原修俊住職)
「ほんとに地元の方、私ももちろんうれしいんですが、一番待ち望んでおられたのは何百年って一緒に座っていた文殊菩薩さんと思う」
馬場さんによると興隆寺に残っている別の台座に使われていた青い色が、有機プルシャンブルーだったことに驚いたと言うことです。
有機プルシャンブルーは、1700年代はじめにヨーロッパで発見され、台座のものは1700年代なかごろのものと見られています。
(馬場良治)
「この青は300年たっても色が綺麗に残っていましたから、通常は北斎とか浮世絵にかいてあるブルーがプルシャンブルー。こういうウブなものを見たのは、初めてです」
興隆寺では毎月1日と15日に文殊菩薩座像を公開しています。