「故郷をあきらめない」周南市金峰「防長の吉野をつくる会」来年結成30年
周南市金峰。過疎化が進むこの地域に少しでも活気を取り戻そうとおよそ30年にわたり桜や花などを植え続ける団体があります。
「ふるさとを諦めない」…その思いを取材しました。
周南市金峰。今月19日、「防長の吉野をつくる会」が結成30年を記念する看板を設置しました。
「1994年平成6年に住民や訪れる人々の心の拠り所になるような地域づくりをコンセプトに会を設立した」
会は金峰で使われなくなった田んぼや畑に根気強く、山桜やツツジなどを植え続けてきました。
尾崎行雄さん69歳。金峰で生まれ育ち、会の事務局長を務めています。
(尾崎さん)
「よくなったね壮観壮観」
この日は、市内の大学生と一緒に「金峰の里」と名付けられた土地にツツジ200本を植えていきました。
周南市の山間にあり過疎化の進む金峰を少しでも元気にしようと1994年、結成された防長の吉野を作る会。
地区を桜の名所にしようと住民一丸となって山桜を植えていきました。
2013年の映像です。
美しい桜を見ようと大勢の花見客が訪れていました。
しかし、この3か月後、住民5人が殺害される事件が起きました…
訪ねる人は減り金峰から離れる住民もいたといいます。
(尾崎さん)
「なんとかここに人が来てもらえるようなところを作っていったらもう一回ここに来てみたいと思えるような場所をつくっていきたい」
ふるさとを諦めない
防長の吉野の会は活動を続けこれまでに3500本の山桜やツツジやフジバカマなど植えました。
1ヘクタールに及ぶ土地に咲く四季折々の花々を見ようと少しずつ金峰に人が訪れるようになりました。
周南公立大学の学生たちは去年から仲間に加わりました。
(学生)
「咲いたときの綺麗さを想像しながら植えていくと楽しいです」
「とにかくまた来たいが続いていってほしいなと思います」
ふるさとを元気にしようと活動を続ける防長の吉野を作る会。
来年で30周年を迎えます。
(尾崎さん)
「30年は数えればすぐだがその間に紆余曲折もあったが会がここまで持続できたというのは自分の中でもホッとしているお客さんがここに来て楽しんでもらえるような景観を作っていきたい」
この日、植えたツツジは来年5月頃花を咲かせるということです。