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避難生活で生まれた絆 5年前の熊本から能登へ タイムカプセルが届けるメッセージ

2024年2月20日 16:40
避難生活で生まれた絆 5年前の熊本から能登へ タイムカプセルが届けるメッセージ

8年前の熊本地震で被災した住民たちのある取り組みです。
大きな被害を受けた益城町の小学校であるタイムカプセルが掘り出されました。
カプセルは仮設住宅が集まる団地の跡地に埋められたもの。その中から出てきたものとは…。

校庭の隅に集まっていた人たち。スコップで掘り起こしていたのは、みんなで埋めたタイムカプセルです。
熊本地震の後、県内で唯一グラウンドに仮設団地が建設された益城町の飯野小学校。

「飯野小仮設団地」では地震で自宅を失い入居した人たちと、学校に通う児童との交流が生まれました。

5年前、2019年2月11日。解体されることになった仮設団地の思い出を残そうと、みんなでタイムカプセルを埋めることにしました。

飯野小先生:
「地震の怖さも体験しましたが人とのつながりの大切さも知りました。
「5年後もこのつながりを持ち続けたいです」

避難生活をきっかけに生まれた絆を未来につなごう。5年後に再びここに集まり、みんなで掘り起こすことを決めました。

そして、迎えた約束の日。小学校になつかしい顔が集まりました。
地震当時、飯野小学校の校長だった柴田敏博さんも見守ります。

飯野小学校元校長・柴田敏博さん:
「何が入っているのかな」「なんか書いたのは覚えているのですけどね」

掘り始めてから数十分。

あの日埋めたカプセルが姿を現しました。

小学5年生(当時6歳):
「楽しかったです」「何が出るかを楽しみにしています」

高校1年生(当時小5):
「5年後の自分に手紙を書いて確か埋めた気がする」「将来の夢とか書いた気がするわかんないです覚えてない」

5年の間に大きくなった子どもたち。中にはこんな再会もありました。

仮設団地自治会長・草野圭介さん
「まだこの子が小さいときによく遊んでいたとにかくかわいかった。」
「この子がこんなに大きくなったと言うのもきょう初めて(知った)」

仮設団地で出会いよく一緒に遊んでいたという2人。
当時4歳だった男の子も小学3年生になりました。
思い出話も盛り上がる中、いよいよタイムカプセルを開封します。
中から出てきたビニール袋。大切に入れられていたのは、「5年後の自分への手紙」でした。

中1(当時小2):
「8歳の私は泣き虫です」「13歳の私は泣き虫ですか?」「2つ目の質問です今彼氏はいるのですか?」「いないですいないです」

小6(当時小1):
「横にも上にもどっちにも大きくなりました」
母:
「良かったです無事叶いました5年後」

当時仮設団地に住んでいた女性:
「(当時を)思い出します」
「やっぱり楽しかったです。子どもがいることで励ましてもらったりしました」

復興へとそれぞれの歩みを進めてきた5年間。
当時の校長先生の手紙に書かれていたのは…。

飯野小学校元校長・柴田敏博さん:
「自分でボランティアを頑張りたい支援を受けたのでお返ししたいとそのことを書いていた」
「能登半島にも2月に行くはずだったが病気で行けなくなったので体力を整えて4月ぐらいには行きたいと思っている」

熊本地震の際に受けた恩を返したい。発災から間もなく8年を迎える今、その思いは元日に起きた能登半島地震に向けられていました。

飯野小学校元校長柴田敏博さん:
「やっぱり一つのけじめですねこれからまた頑張っていこう新たにまた災害のことに備えていこうとか新たな決意になればいいと思う」

避難生活を過ごした仲間とともに、能登半島地震の被災地へメッセージを送ることにしました。

「地震で今は辛いと思います。でも必ず復興出来ます。それまで頑張りましょう。熊本から応援します」

手を取り合えば乗り越えることができる。タイムカプセルが運んでくれた確かな思いです。

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