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進まない”公費解体” 申請数は5000を超えるも解体完了はわずか”3棟”

2024年4月15日 18:35
進まない”公費解体” 申請数は5000を超えるも解体完了はわずか”3棟”

被災した建物を自治体が撤去・解体する「公費解体」の申請が今月から奥能登すべての自治体で始まっています。
ただ、5000以上の申請に対し実際に工事が完了したのはわずか。
その課題を取材しました。

けさ。
珠洲市に開設された公費解体の申請窓口を訪れると書類を手に、申請を待つ人の行列が。

職員:
「ご予約されてますか?」
市民:
「いや」
職員:
「一応こちらのほうで受付いたしますけど、待ちが結構いらっしゃるので2時間とか待ちが出るかと思うけど大丈夫ですか?」

珠洲市では先月25日から地震で全壊や半壊となった建物を所有者に代わって自治体が撤去、解体する「公費解体」の受付が始まっています。
窓口に並ぶのがきょうで3回目だという女性に話を聞きました。

「同意書持って来なさいとか、印鑑証明持って来なさいとか」
「一刻もはやく解体してほしいんです。地盤沈下があって隣の方のところへ倒れてしまうと危ないんで、それで急いでるんです」

こちらの女性も必要な書類が足りなかったようで…
職員:
「きょうはこれがないと並んでもしかたないので」
「すいませんね、お手数おかけして」
女性:
「お願いします」
「委任状がいるげん、息子の。私所帯主じゃないでしょ、それで」

改めて書類を持ってくることになりました。

県によりますと県内での公費解体の申請数は4月9日時点で5477棟。
県が推計する解体必要数のおよそ25%にあたります。
しかし、実際に工事が完了したのはわずか3棟にとどまっています。

申請手続きが煩雑なことや作業開始までに住民立ち合いのもと現地調査が必要なことなどからなかなか解体作業に着手できないことが要因だということです。
迅速な解体が求められる中、県は、国や関係団体と連携して市町を後押しし、効率化を図っていきたいとしています。
公費解体に必要な書類は各自治体のホームページなどで確認できます。

そして、窓口には予約をしてから行くと申請がスムーズです。

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