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能登半島地震の被災者のペットをキレイに ボランティア「トリマー」に密着 

2024年8月13日 19:34
能登半島地震の被災者のペットをキレイに ボランティア「トリマー」に密着 

今年6月 能登町。この日行われていたのはボランティア団体による物資の支援。

「パウチとか、缶詰もあるので。あとおもちゃ。」
「こっち、やってみようか。良いですか?」
「どうぞどうぞ。何個でもどうぞ。」
「助かります。」

男性が手に取ったのは、イヌ・ネコ用のにぼし。実はこの日集められた支援物資は犬や猫のごはんなどペット用品ばかり。ペットを飼っている被災者のための支援が行われていました。

「ひもが欲しい!」

こちらの女性が必要としていたのは…新しい首輪とハーネス。さっそく、つけてみる事に。

「あ、いいじゃんいいじゃん!」

地域のお店も営業が再開するなどしていますが、入手が難しい物も多いといいます。犬を抱え訪れたこちらの女性は…

「ボス君ですね。いつぶりですか?カットされるの。」
「カットは半年ぶり?かな?」

女性の飼い犬、ボスくん。ボランティアスタッフへと預けられます。そして始まったのは…軽トラックの中で、トリミング!スタッフの女性が手際よく、毛をカットしていきます。

「ボスかっこよくなってきたよ~!!」

トリミング設備の備わった車が2台持ち込まれ、ボランティアトリミングも行われていたのです。

ボスくんと飼い主さんは、能登町で被災。家が全壊し、今は町内にある実家で生活をしているといいます。

「いつも珠洲の方の(トリミングサロンに)行ってたんですけど。行けなくて。」

去年12月にトリミングをしたきり、お手入れができない状態が続いたというボス君。半年ぶりのお手入れです。
1時間後…

「終わった!」

完成!顔周りがとってもスッキリしました!

「お空見えるようになったよ!」
「ありがとうございます!」

この日トリミングに訪れたのは、10匹以上。みんな、数か月ぶりのお手入れです。キレイになった我が子を見て、飼い主さんたちからは自然と笑みがこぼれます。

「かわいくなった!耳とか!!」

こちらの女性も…

「ありがとうございます。かわいくなって。申し訳ない。ありがとう。助かりました。」

何度もお礼を言い、立ち去ります。すると…。

「あんな嬉しそうな…めっちゃ泣きそう」
「泣いてる人がいる(笑)」
「あんななんかね、ありがとうって言われたら」

被災者からの感謝の言葉に、涙していました。

「ね、自分たちの方が大変なのにさあ」

彼女たちは東京・大阪などから被災者のペットをキレイにするため能登を訪れた、7人のボランティア。保護動物に関するボランティアを行う団体、『ゴーゴー グルーマーズ』のメンバーです。普段はそれぞれ、プロのトリマーとして働いています。


2月から定期的に被災地を訪れ、サロンに通うことが出来ない犬たちのお手入れをしています。

猪野わかなさん。団体の代表を務め、能登でのボランティア活動を企画しました。

今回のボランティアは、2日間。

2日目、一行が向かうのは…

「これから入るところはもっとひどいんですよね?」

ゴーゴー グルーマーズ代表 猪野わかなさん
「今から行くところは、珠洲市って、すごい被害を受けたところなんだけど。」

未だ震災の爪痕が大きく残る道路を走る事3時間。

「ここでやります。」

到着したのは、避難所に隣接するトレーラーハウス。この日の活動場所です。

ピースワンコ・ジャパン 上谷 祐実さん
「家の片付けとかお仕事などでワンちゃんをずっと置いておけないという方、車中泊をずっとされてて段々暑くなってきたりした中で、ワンちゃんをずっと車の中に置いておけないという方たちのために、ペットを一時的に預かる、デイケアハウスを作りました。」

ペットがいるため仕事の復帰や家の片付けができず、自立が遅れてしまうことを防ぐため設置されたデイケアハウスです。

トリマーたちの任務は今日も犬をキレイにすること。預けられた犬たちを次々に洗い…毛をカットします。

「OKでーす。反対いきましょう。」

開始からおよそ3時間。あっという間に犬たちがキレイになりました。

『ありがとうございましたー!』

今回のボランティア活動は無事、終了!
ですが、代表の猪野さんは今回初めて被災地を訪れたメンバーに見てもらいたいものがありました。

「これはひどいね」

今もなお、がれきが残る珠洲の街並み。そして…

「きれいだね。海。」
「この海がね、上がってくるんですもんね」

能登の今を、自分の目で見てもらいたかったのです。

「じゃあ、行きますか。」

今回、初めて参加したメンバーは…

「全然、震災終わってないんやなって思って。来てみないと分からないものですね。ほんとに」

ゴーゴー グルーマーズ代表 猪野わかなさん
「本当に毎回来るたびに町の景色も変わらなくて、早くどうにかしてあげてよ!誰か!って思うけど、その誰かになれたら。自分が。あれだけ困ってる人がいて、必要とされるのであれば次はもっとできるようにって。また来ましょう!」

「また来ます」

犬たちを通して、被災者そして被災地に思いを寄せる。彼女たちの活動は続きます。

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