「追い出すなんてしたくない」2次避難所の旅館が次のステップを支援 従業員寮を改修
加賀市内にある旅館の多くは能登からの避難者を受け入れる2次避難所となっています。
新幹線開業が1か月後に迫る中、避難者が次のステップへ向かう後押しをしようと取り組む旅館を取材しました。
地震の影響で、観光客が激減した加賀温泉郷。
加賀市の3つの温泉地では5割以上となる6万7000人分の宿泊がキャンセルとなりました。
いま、旅館の多くは2次避難所となっています。
みやびの宿 加賀百万石の吉田久彦社長。
県からの打診を受け1月9日から避難者を受け入れ始めました。
吉田久彦社長:
「1番最初いらっしゃったときはほんとに皆さん、すごい辛そうな雰囲気というか悲壮な面持ちで」「今はだいぶ笑顔もみえるようになってきて」
現在、避難者の数はおよそ350人。
220ある客室のうち120室を提供しています。
高齢女性「助けてくださってありがとうございました」
社長「またゆっくりお風呂入っていただいて」
高齢女性「ありがとうございます、助けていただいて」
中には、集落単位で移ってきた人も。
大沢の女性
「うちは陸の孤島みたいになってる」
「道をどうにかせんと、1日でも早く」
「仮設もなんにもいらないから村に戻してほしいね」
道路が寸断された輪島市大沢町周辺からおよそ80人。
珠洲市高屋町からはおよそ30人が避難してきています。
大沢などの集落につながる県道の復旧には年単位の時間がかかる見通しです。
そして応急仮設住宅への入居までにはまだ時間がかかるため県では公営住宅やアパートなどのみなし仮設への入居を呼びかけています。
ただ、そうした場所に入居すると集落の住民たちがバラバラになりコミュニティが失われるという懸念が。
大沢町 大箱洋介区長:
(Qバラバラになることは)
「なるべくそれは避けたいと思っています。いろいろ皆さんの意志も聞かないといけませんから、ばらされるとそういう話もなかなか遠くなって拾えなくなる」