48時間で400㎜超え…能登豪雨 記録的な大雨の降り始めからのドキュメント
記録的な大雨は元日の地震に続き、能登の被災地に大きな爪痕を残しました。21日からの被害の状況を改めて振り返ります。
21日、線状降水帯となって能登を襲った猛烈な雨。大雨特別警報が出されるなか、輪島市の仮設住宅では、水かさが腰の高さにまで達しようとしていました。
警察「人まだおる?」
住民「そこに声かけてもらえますか?」
隣接する市立輪島病院にはおよそ200人が避難しました。
住民の男性:
「仮設住宅あたったと思ったらこういうことになるとは夢にも思わんかった。もう着の身着のままよ」
(Qこんな雨っていままでにあった?)
「ないないないない!」
各地で河川が氾濫し、土砂崩れも発生しました。輪島市三井町では。
山下実々 記者:
「こちらは輪島市三井町です。あちらの山は斜面が崩れ落ち、川はあふれています」
被災住民の憩いの場になっていたという飲食店も浸水の被害を受けました。
飲食店店主:
「やっと普通の日常に戻ったかなと思ってたときにこんなになって…仕方ないですよ。天災に勝てない」
避難所にも多くの人が。
住民の女性:
「おとろしかったわいね。水がだんだんだん(増えた)。横の川もちょっと氾濫しそうだったので、雨止んでるうちにちょっとこちらに避難してきました」
濁った水は、稲刈りを控えた田んぼにも。近くの住宅地も浸水していました。
一方、大雨は、珠洲市内でも。
竹背達也 記者:
「正午過ぎの珠洲市内です。一時こちらの川があふれたということで、道路脇には大量の丸太が取り残されています」
勢いを増す濁流。その脇を走る道路では大量の土砂と流木を取り除く作業が行われていましたが、さらに。
住民の男性:
「長いプレハブみたいなのが道路をふさいでしまっとって」
どこから流れ着いたのか大きなコンテナが横たわっていました。
一夜明けた22日。雨は、なおも降り続いていました。
NNN取材団・竹花和志 記者:
「珠洲市飯田町です。道路は完全に冠水してしまっていて、あちらの土砂崩れで前に押し出されたということです」
珠洲市内の道路は川のようになり境目が分からない状態に。
輪島市でも。
NNN取材団・楠下 一輝 記者:
「きょう午前の雨によって川の水があふれ、道路にまで流れ込んできています」
道路は濁流に覆われ…救助に向かう消防隊も足止めを余儀なくされていました。
住民の男性:
「ちょっと怖いね」
同じ、市内では。
NNN取材団・川﨑祐典 記者:
「輪島市の久手川町です。こちらの住宅、川の濁流の被害にあったものとみられます」
住宅に押し寄せた流木が豪雨による被害の大きさを物語っていました。
市役所前も泥に覆われた状態に。
停電も続くなか、市内の商業施設では泥のかき出し作業に追われていました。元日の地震で休業していた店舗の一部は先月、再開したばかりでした。
店の人は:
「非常に残念な思いでございます。復旧作業に入りますので、早ければ2、3日(で再開)」
隣接する仮設住宅も室内に泥が入り込んでいました。
大崎トキ子さん:
「物がぷかぷか浮いて…ここもずっと窓からも入ってきて。子ども2人ここ上げてたんですよ。ここに上げて、ここから降りるなと言って」
仮設住宅には7月に一家で入居し、新たな生活を歩みたばかりでした。いまは水も出なくなり、近くの公民館に身を寄せることにしたといいます。
大崎トキ子さん:
「やけくそになって開き直ってます。しゃべっとったら涙出てくるわ…」
被災した住民たちがどのように生活を再建するかは現状、見通しが立っていません。