県内の女性(60代)が厚生労働省の職員や警察官を名乗る男から約8700万円をだまし取られる、うそ電話詐欺が発生しました。

　うそ電話詐欺の被害にあったのは県内に住む女性(60代)です。県警によりますと2024年10月、女性の自宅の固定電話に厚生労働省の「アキモト」と名乗る男から電話がありました。

(アキモト)
「宮城県のクリニックで1か月分のゾルピデムという薬を処方されましたか？」

　女性は身に覚えがないことから「宮城県に行ったことはない」と答えました。すると、「アキモト」は「あなたの保険証が偽造され、使われている。被害届は宮城県の仙台中央警察署でないと受理できない」などと話し、その後、仙台中央警察署、捜査二課の「クドウハジメ」と名乗る男に電話の相手が変わりました。

(クドウハジメ)
「あなたが銀行で作った口座が犯罪グループに使われています。銀行の口座を調べたところ、鹿児島支店の支店長はあなたが50万円で口座を売買していると供述しています。このままだとあなたも起訴しないといけません」

　「クドウ」は女性とLINEでやり取りを始め、供述調書と書いてある書類の画像を送り、女性を信用させ、こう話しました。

(クドウハジメ)
「関わっている人の資金を凍結して調べなければいけない。凍結しなくてもいい方法を教えるので、現在持っている口座と残高を教えてください」

　　女性は口座と残高を教え、資金の調査名目で指定された口座に11回に渡り約8700万円を送金し、だまし取られました。

　県警は「警察官がLINEなどで警察手帳の画像を送ったり事情聴取を行うことはありません」と注意を呼び掛けています。