【港町の新名物は「サカナ」にあらず】女川町で「ゆず」で地域盛り上げへ(宮城)
港町・宮城県女川町の商店街では、新たな名物で地域を盛り上げようと動き出している。
使われたのは、「サカナ」ではなく「ゆず」だ。
女川町の「シーパルピア女川」。
東日本大震災後にできたこの商店街でお土産店を営む湯浅輝樹さんは、今年からある商品を作りはじめた。
湯浅さん「期間限定、女川産のゆずサブレのシールを貼っています」。
11月に収穫された〝ゆず〟を使用した「ゆずサブレ」だ。
8年前、店から車で10分ほどの場所にある「ゆず」の木を知人から引き継いだ湯浅さん。
新たな名物として、地域や商店街を盛り上げたいと考えた。
湯浅さん「女川に来られた方は、海の幸を楽しむのみ。そこに新しい風を吹き込みたいということで、試験的にゆずの栽培を始めた」
実がなるまでに時間がかかる「ゆず」がようやく収穫できるようになったのは、2年前。
今年はシカに食べられるなどの被害もあったが、30キロほどのゆずが収穫できた。
収穫した「ゆず」は、湯浅さんの思いに賛同した商店街のメンバーに。
こちらのカフェでは「ゆずジャム」を溶かしたホットドリンクとして提供している。
ゆずの皮は3回に分けて煮出すことで苦みを抑え、爽やかな酸味が特徴だ。
カフェ・ごはん・セボラ 堂賀光枝さん「女川でもゆずが採れるのはすごいですし、もっともっと(ゆずの)商品が増えていったらいいかな、いろんなお店で」
一方、こちらの飲食店では。
「お待たせしました。大根とゆずのお漬物です」
皮を添えるだけでなく、ゆずの果汁まで活かした漬物は、先出しの一品として振る舞われている。
IZAKAYAようこ 店主・伊東陽子さん「今までは、ゆずを植えている人は いなかったので、声をかけてもらったときは私も挑戦してみたいと思いました」
現在、この商店街でゆずを使ったメニューを提供するのは4店舗だが、今後はピザやお酒などにもゆずメニューが登場する見込みだ。
湯浅さん「震災から12年、もうすぐ13年になりますけども、震災で新しく出来た綺麗な町だねというところで終わってしまうと観光客はどうしても続かない。ゆずが一つのきっかけとなってくれれば。話題性として」
海の街・女川の新たな名物に。取り組みの輪が、少しづつ広がっている。