×

人気は “小説や脳トレ” 高齢者福祉施設で月イチ「本の出張販売」笑顔や会話が増える場に《長崎》

2024年7月18日 6:45
人気は “小説や脳トレ” 高齢者福祉施設で月イチ「本の出張販売」笑顔や会話が増える場に《長崎》

月に一度、高齢者福祉施設を訪問する「本」の出張販売を取材しました。

笑顔あふれる社会貢献活動です。

施設の中に運びこまれる段ボール箱。その中にはたくさんの「本」が入っています。

雑誌や小説のほか脳トレ、趣味の本、文字が大きな辞典などが人気だそうです。

長崎市の高齢者福祉施設「ケアハウス稲佐の森」。

月に一度、長崎市の書店がやってきて本を販売します。

(メトロ書店 川崎綾子社長)
「(前回)小説が読みたいと言われたので、出たばかりの新刊を持ってきた。児童本は孫や、ひ孫がお見舞いに来るらしく、その時にプレゼントするための本」

午後2時。「1日本屋さん」の開店です。

開店するとすぐ、次々とお客さんが集まってきました。

(メトロ書店 川崎綾子社長)
「これ(パズル)楽しんでくださいね」

(女性利用者)
「頭の体操になる?」

(メトロ書店 川崎綾子社長)
「頭の体操になりますよ。お楽しみください」

(男性利用者)
「歌の本は?」

(メトロ書店 川崎綾子社長)
「先月持っては持ってきていたのに、歌の本は今日はないんですよ。(次回)持ってきますよ」

書店の出張サービスを、施設内の皆さんも心待ちにしているようです。

(利用者)
「“長生きのコツ” とか読んでみたいと思っている。(本屋が来るのは)よかですねぇ」

(介護職員 溝江千鶴さん)
「(この出張販売に)お出かけするのに、洋服を着替えたり。こういう楽しみにするという機会がいい刺激になって喜んでいる」

本を取り巻く環境は急激に変化が訪れていて、“ネット書店での通販” や “電子書籍での購入” が増えていますが、そのスタイルは、高齢者にとってハードルが高いのが現実。

出張販売は、そんな高齢者に寄り添う「社会貢献活動」です。

(メトロ書店 川崎綾子社長)
「体力的に店まで行けない高齢者には、すごく喜ばれる」

86歳の若杉重信さんも、読書を楽しんでいます。

推しは「時代小説」です。

(若杉重信さん(86))
「読めば楽しくなって続きを探して。だから本屋に行けばずっと見てしまう」

この日のお目当ては…。

(メトロ書店 川崎綾子社長)
「これは安徳天皇が、実は生きていたという話。日本の壇ノ浦の話で面白いですよ」

(若杉重信さん(86))
「字が小さいね」

(メトロ書店 川崎綾子社長)
「老眼鏡もありますよ」

時代小説の人気作家 佐伯泰英さんの新刊3冊。そして、すすめられた歴史小説を選びました。

(若杉重信さん(86))
「読み始めたらきりがない。みんな楽しみにしている。(もっと)いろいろな種類の本もあったらいい」

月に1度の「本の出張販売」。

本が届くことで、施設では会話や笑顔が増えているようです。

(メトロ書店 川崎綾子社長)
「皆さんの顔を見ると生き生きしたのがわかって、何か本を通じて高齢者の役に立つことがしたい」

    長崎国際テレビのニュース
    24時間ライブ配信中
    日テレNEWS24 24時間ライブ配信中
    logo

    24時間ライブ配信中