「技術系人材の確保が目的」佐世保市の企業が福岡証券取引所に上場 県内5年ぶり “上場企業” 誕生《長崎》
県内で5年ぶりとなる上場企業の誕生です。
ハウステンボスの施設管理などを手がける佐世保市の企業が福岡証券取引所に上場し3日、馬場副知事に報告しました。
佐世保市の「Cross Eホールディングス」の松尾 貴社長ら3人が、3日 県庁を訪れ、馬場副知事に上場の報告を行いました。
(CrossEホールディングス 松尾 貴社長)
「県全体の経済活性化に取り組んでいきたい」
旅行大手「エイチ・アイ・エス」の子会社である「CrossEホールディングス」は、ハウステンボスの園内の施設管理などを担う「ハウステンボス・技術センター」と、廃棄物処理施設のメンテナンスなどを手掛ける「西日本エンジニアリング」の2つの会社を傘下に置く持ち株会社です。
先月29日に、福岡証券取引所の新興企業向けの株式市場である「Qボード」に上場しました。
松尾社長が上場の目的として挙げたのが「人材確保」です。
(CrossEホールディングス 松尾 貴社長)
「技術者が足りていない状況で、どうしても技術系人材の獲得というのが命題になっていた。私たちの会社自体を知らない人がいっぱいいるので、上場による信頼度と知名度のアップによる技術系人材の確保というのが上場の一番の目的」
県内では 2019年、当時の「十八銀行」が「ふくおかフィナンシャルグループ」と経営統合したことに伴い、上場を廃止。
以来 全国で唯一、上場企業がない都道府県となっていました。
(長崎大学経済学部 山口純哉准教授)
「“上場しているか” “していないか” が 全てではないが、上場する際にはその企業の信用性や成長性が取引所によって計られるので、長崎県内にも社会的に認められて、これから成長を果たしていこうという企業が顕在化したという意味では非常にいいこと」
長崎大学経済学部の山口 純哉准教授は、上場企業が増えることは地域の信用性にもつながるとして県内企業のさらなる上場に期待を示しました。
次なる上場企業を生み出そうと県は、経営者向けの講座である「上場チャレンジセミナー」を今年度から実施。
現在 IT関連企業など県内10社が、企業体質の強化に向けた支援を受けているということです。
(長崎大学経済学部 山口純哉准教授)
「(上場企業の増加は)社会に迷惑をかけずに、法令も遵守しながら経営をしてる企業が増えるという1つの目安になるので、必要に応じて上場という選択をする企業が出てきてもいいのでは」
CrossEホールディングスは今後、県内を含む北部九州エリアの会社をグループ化するなどして、地域経済の活性化に貢献したいとしています。