雲仙普賢岳の噴火観測に尽力 太田一也九大名誉教授死去 雲仙火山の書籍も去年出版《長崎》
雲仙普賢岳の噴火災害で、観測の中心的な役割を果たした火山の専門家 太田 一也さんが15日に亡くなくなりました。
90歳でした。
九州大学の名誉教授で、雲仙の山々を長年研究してきた火山の専門家・太田 一也さん。
普賢岳で大火砕流が発生した34年前は、九州大学島原地震火山観測所の所長として観測を続け、自治体に避難や防災に関する助言を行うなど最前線で対応に当たりました。
(九州大学名教授 太田 一也さん)
「特に心配なのは、火山灰がものすごく積もっている。これが豪雨の時に流れ下ると、今まで以上の土石流発生の危険が高まっている」
1996年には噴火災害の「終息」を宣言。
退官後も災害の記憶を後世に伝える活動を続け、去年は噴火災害の教訓や研究成果をまとめた書籍を出版していました。
関係者によりますと15日、慢性呼吸不全のため、島原市の病院で亡くなったということです。
90歳でした。
(九州大学名教授 太田 一也さん)
「個人は個人、行政は行政、それぞれどうすればいいのかということを考えることが大事だと思う。
それは自分の命を守るため、地域社会を守るためだから」
通夜・告別式は、島原市で営まれます。