コーヒーショップが業態転換ベーグル専門店へ「首都圏などで評価を得て佐世保凱旋」の夢果たす《長崎》
コロナ禍を乗り越え、誕生した「ベーグル」。
業態を転換し、佐世保に凱旋する形で地元での販売が始まりました。
小麦の優しい甘さが特徴のベーグル。もちもちとした食感で食べ応えがあります。
(冷川小粹アナウンサー)
「かなり歯ごたえがしっかりしている。小麦の香りがとてもいい。プレーンだが、まろやかでほのかな甘みがあっておいしい」
先月、佐世保市日野町にオープンした、ベーグルの専門店「HAPPY TRAILS COFFEE」。チーズやココアが入ったものなど、製造する7種類を販売します。
実はこの店、以前は名前の通り、コーヒーショップでした。
2011年に、アメリカ人のジル・パターソンさんが創業。地元の人たちに愛され、佐世保基地のアメリカ人も多く訪れる評判の店となりました。しかし、2020年、新型コロナウイルスの感染が拡大。
共同創業者の橋口 久さんは・・・。
(橋口 久 オーナー)
「コーヒーショップのイートインをやめて、ベーグルの製造販売だけに特化しようという業態転換を決めた」
商品名を「佐世保アメリカンベーグル」と命名し、業態転換に向けてクラウドファンディングを実施。首都圏など県外で販売し、評価を得た上で「佐世保に凱旋する」決意を表明しました。
この思いに対し、目標を上回る30万円以上の資金が寄せられました。
”必ず佐世保に戻ってくる” ことを誓い、おととし夏に店内を改装。イートインスペースだった場所もすべて 製造所にしました。
「佐世保アメリカンベーグル」が最初に挑んだのは、東京・神田。
期間限定の小さな店で、即完売となりました。
その後は、全国の百貨店の物産展に次々と参加。全国のファンを増やしていきました。
そして、先月 臨んだ「パンのフェス2024春 ㏌ 横浜赤レンガ」。15万人を超える客でにぎわう日本最大級のパンイベントです。参加店舗は70店ほどと限られますが、念願の出店が叶い、3日間で2000個を売り上げ、大成功を収めました。
さらに1週間後、佐世保の製造所に直売所を開き、凱旋を果たしました。
(冷川小粹アナウンサー)
「佐世保に戻ってきて店をオープンできたことは、うれしかったですか」
(橋口 久オーナー)
「泣きそうですね。佐世保の名前を付けて “佐世保アメリカンベーグル”という商品で売り出しながらも、ずっと佐世保で販売することは極力控える戦略をとっていた。そこが私も佐世保人なので、佐世保の皆さんに対して何かしら申し訳ないと。佐世保で売らないで外で売っている。やっぱり苦しい時はあった」
店名「HAPPY TRAILS COFFEE」の “HAPPY TRAIL” とは、“楽しい登山道”。頂上目指して歩みを止めません。
(橋口 久オーナー)
「形はさ、ずっとこだわってきたよね」
(スタッフ)
「形もそうですね。丸のリング状」
(橋口 久オーナー)
「彼らの一生懸命な思いが、お客様の食卓を彩ることに繋がるのは、なんともいえない喜びを感じる」
コロナ禍をポジティブに乗り越えた「HAPPY TRAILS COFFEE」。今度は “ベーグルカフェ”へと進化させる考えで、 挑戦は続きます。
(橋口 久 オーナー)
「今回は直売所を表に設けたが、我々の最終的なゴールはここで終わるのではなくて、コロナ禍でつくった壁を取り払って、また人と文化のクロスロード “交差点”を、今度はコーヒーとベーグルを通して復活させたい」