×

“女性がキラキラ輝ける場を作りたい” 女性育成イベントに取り組むフリー准看護師の挑戦《長崎》

2025年1月5日 7:00
 “女性がキラキラ輝ける場を作りたい” 女性育成イベントに取り組むフリー准看護師の挑戦《長崎》

フリーランスの准看護師として働く傍ら、思いを語り合うサークルを立ち上げた女性を取材しました。

長崎で女性が輝ける挑戦を。家族の死を乗り越え活動しています。

◆シングルマザーのかけがえのないひと時

(准看護師)
「腰や足の痛みはどうですか」

(患者)
「全体的に痛みはある」

声を掛けながら丁寧に処置をする 荒木 愛梨さん 37歳。

准看護師として日々、患者の命と向き合っています。

(荒木 愛梨さん)
「些細な変化とか異常などを見逃さないようにということと、患者と信頼関係を築くことを一番に考えています」

そして…

(荒木 愛梨さん)
「疲れた?」

3人の子どもを育てるシングルマザー。

(荒木 愛梨さん)
「ママのことどのくらい好き」

(次女)
「いっぱい」

家族で過ごす何気ない日常が、かけがえのないひと時です。

(荒木 愛梨さん)
「とても充実している 毎日。人生悔いがないというくらい、充実している」

荒木さんは長崎市出身。

高校を卒業後、19歳で結婚し、元夫との間に長男の獅音さん、長女の梨音さんをもうけました。

幸せな日々を過ごしていましたが23歳の時、人生の転機となる出来事が…。

◆妹の死を乗り越え芽生えた思い

(荒木 愛梨さん)
「ここに妹の遺影が飾ってある。いつもここから見守ってくれています」

最愛の妹・優梨亜さんの死。

希少疾患の「慢性活動性EBウイルス感染症」にかかり、診断からわずか3か月後、多臓器不全で亡くなりました。

15歳でした。

今でも思い出すと涙がこみ上げてきます。

(荒木 愛梨さん)
「もう意識消失で、呼吸ができない状態から始まった。妹の携帯を見返したら “身体がだるい” とか “きつい” とか、そういう言葉が母に送られていた」

深い悲しみに暮れる中、荒木さんの心の中に芽生えた、ある思い。

(荒木 愛梨さん)
「健康で普通に過ごすのが当たり前と思っていたんですけど、いつどうなるかわからないと初めてその時わかって。
その時その時を一生懸命、全力で楽しもうと。私が誰かに勇気とか希望とか、元気を与えられたらいいと思いました」

“命” と向き合う仕事に関心を持った荒木さん。

育児が落ち着き始めた28歳から専門学校に通い、准看護師の資格をとりました。

当初は病院に勤務していましたが…

(荒木 愛梨さん)
「一番下の子がすごく小さいので、自分と子どもの時間を確保するために、フリーランスという道を選びました」

現在は、特定の組織に所属せず働く “フリーランス” に。

週に5日、訪問看護を中心に脈拍や血圧のチェック、入浴介助などを行っています。

(患者 中村 秋年さん(90))
「ものすごく優しい。本当によくしてもらっている」

(荒木 愛梨さん)
「密な看護というか、より一人一人に沿った支援ができるので、すごくやりがいを感じます」

夕方までには仕事を終えることができ、夜勤などで不規則になる病院での勤務に比べ、自由な時間が増えたといいます。

(荒木 愛梨さん)
「自分の時間で(勤務を)決められるので、子どもや家のことをしたり、友だちとランチをしたり、いろんな時間の過ごし方ができて、すごく充実しています」

◆自分の時間を大切にすることで充実が生まれる

そんな自分の時間を使って、4年前にはビューティーコンテストにも挑戦しました。

(荒木 愛梨さん)
「向上心がある方がすごくたくさん集まっているし、心がすごくきれいというか。ライバルでもあり、いい仲間でもある。そこで出会った人たちに、私も刺激を受けて」

この経験から、年齢や環境に関係なく “女性が学び続ける場” をつくりたいと去年、サークルを立ち上げました。

(荒木 愛梨さん)
「思い当たる笑顔の効能、効果はあります?」

(サークルメンバー)
「幸せになる」

メンバーは約20人。

月に1度、ランチを楽しみながら「ライフワークバランス」や「SNS発信」など、テーマを決めて思いを語り合います。

(サークルメンバー)
「自分の目標や夢に向かって、みなさん一人一人が頑張っているので、いつも影響をもらっています」

(荒木 愛梨さん
「(長崎という)土地もすごく素敵だし、人がいいし、女性が本当にキラキラ輝いている。女性の力で長崎を一緒に盛り上げて、女性がもっと輝ける社会を作っていければ」

そして荒木さんが今、新たに取り組んでいるのが…。

心も体も美しい女性を育成するためのイベントの主催です。

(荒木 愛梨さん)
「自分自身が輝くのはもちろん大切だけど、輝かせる側に回るのが得意なのかもしれない」

出場者は3人。

自らも講師となり、ウォーキングや立ち姿勢を指導しました。

(荒木 愛梨さん)
「みなさんひとり一人の人生を称えるアワードになるので、順位はない。会場が一体となるような、長崎のよさを前面に出したアワードにしたい」

そして、迎えた本番。

荒木さんは、進行内容の確認やゲストケアなどを入念な準備に追われていました。

その甲斐もあり、イベントは出場者だけでなく、観客も一体となって盛り上がりました。

(荒木 愛梨さん)
「“家族が健康で笑顔で” というのが一番大切。周りの人が笑顔にあふれる時間がかけがえないものなので、みんなでそのような時間を紡いでいきたい」

家族の死を乗り越えた経験を原動力に。

長崎で女性が輝ける場を広げるための挑戦は続きます。

荒木さんが立ち上げたサークル「長崎きれか会」の情報は、インスタグラムで発信しています。

関心のある方は、メッセージで問い合わせてほしいということです。


【NIB news every.  2024年11月19日放送より】

最終更新日:2025年1月5日 14:42
    長崎国際テレビのニュース