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将来の夢は “パラリンピック出場” 日本パラ水泳連盟の育成選手「高校生パラスイマー」の挑戦《長崎》

2024年8月28日 6:45
将来の夢は “パラリンピック出場” 日本パラ水泳連盟の育成選手「高校生パラスイマー」の挑戦《長崎》

去年6月に放送したパラスイマー 森田 悠月さん。

今年1月から日本パラ水泳連盟の育成選手になりました。

高校生になっても、国際大会への出場を目標に挑戦を続けています。

▼右ひざから下がなく両手指にも欠損「水泳で世界目指す」

6月、長崎市で行われた九州障がい者水泳選手権大会。

障害の種類や程度など17のクラスに分かれ、約130人が競いました。

力強い泳ぎを見せるのは、森田 悠月さん 15歳です。

(森田 悠月さん)
「元気もらえる。いい記録出せたのは地元だし、応援してくれたからこそ」

右ひざから下がなく、左脚の骨の一部と両手指にも欠損があります。

幼いころから始めた水泳で世界の舞台を目指しています。

この春、諫早市にある長崎日大高校に進学した悠月さん。

(カメラマン)
「授業は難しい?」

(森田 悠月さん)
「全然 わからん」

(森田 悠月さん)
「本当に知らない人ばっかなんですけど、人数も多いので いろんな人と触れ合えて毎日楽しい」

地元・長崎市を離れ 隣の市へ通う不安もありましたが、友だちに囲まれ充実した日々を過ごしています。

▼成長期の体に合わせて練習にも変化が…

練習は、週に6日。

大村市のスイミングクラブに通っています。

(森田 悠月さん)
「泳ぐ量も単純に増えたし、質が高いので本当にきつい」

コーチは、悠月さんを中学1年生から指導している柴田 浩志さんです。

(柴田 浩志コーチ)
「体が大きくなって大人に近づいてくるにあたって、上半身で前に進むという練習が 前よりも筋肉トレーニングではないが(増えた)」

将来の夢であるパラリンピック出場に向け、着実に力をつけている悠月さん。

日本パラ水泳連盟の育成選手にも選出され、今年5月には、全国大会で優勝しました。

▼両親の決断「切断する時が1番悩んだ」

2008年11月生まれ。

両足と指に生まれた時から障害があり、大きな手術も経験してきました。

(母 舞奈さん)
「切断する時が、1番悩んだ。両足を切断する方法があると先生に言われたが、どうにか自分の足を残してあげたい気持ちがあったから、お母さんたちは手術を選んだ」

(森田 悠月さん)
「お母さんたちのおかげで片足残って歩けたり、それこそ水泳とか泳げなかったかも」

手術から11年。

右脚の義足は体の成長にあわせて、約1年ごとに新調してきました。

(森田 悠月さん)
「単純に膝から下が短く、上半身が大きくなったら体重が増えて負担がかかりやすくなる。痛みやすくなった。中学校、小学校の時と比べて」

▼新たなトレーニングや家族の支援が後押し

泳ぎのレベルアップに向け、今年から週に一度通っている場所があります。

(指導)
「はい。3、4」

県内で唯一 パラスポーツトレーナーの資格を持つ、小森 峻さんにリハビリを受けています

(道ノ尾 みやた整形外科 小森峻先生)
「森田君の場合は、体幹とか股関節周囲が正常と同じように働くことができるので、そこをしっかり安定させた状態で、足のキックや上半身の動きというところにしっかり連動するトレーニングをしている」

懸命に頑張る悠月さんを見守るのは、母の舞奈さん。

通学のほか、プールやトレーニング先への送り迎えなど いつもそばでエールを送っています。

(母 舞奈さん)
「過保護なのかと思うことも多々あるが、今しかできないことかなと思うことがある。どうしても他の競技と違ってパラ競技はある程度付き添いが大事。いずれ自立はしていくが…」

▼夢に向かって一歩、一歩…

自己記録の更新を掲げ、迎えた「九州障がい者水泳選手権大会」。

しかし… 時折 咳をする悠月さん。

数日前に体調を崩してしまい、コンディションに不安を抱えているようです。

(森田 悠月さん)
「この前体調を崩したときに、首回りが苦しくて…」

(母 舞奈さん)
「頑張ってね」

家族の声援に後押しされて挑むのは、最も得意とする『400メートル自由形』です。

思い切り飛び込んだあと、懸命な泳ぎを見せ…。

そして最後はラストスパート。

タイム「5分20秒91」は、見事 “自己新記録”。

同時に大会記録も更新しました。

(森田 悠月さん)
「まさかこんな状態で、自己ベストを更新できるとは」

さらに初挑戦となった『100メートル背泳ぎ』でも、大会新記録で泳ぎ切り、家族や友人の応援に応えました。

(母 舞奈さん)
「みんなに褒められた、体つきとか。成長していると思う」

(森田 悠月さん)
「来年のアジアユースパラに出場と、その次の年にあるアジアパラ出場が目標。練習と高校生活の両立をしていきたい」

家族と共に挑戦を続ける高校生パラスイマー森田 悠月さん。

大きな夢に向かって力強く、泳ぎ続けます。

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