今年急増で「商売にならん」 網に入らないほどの巨大クラゲ「エチゼンクラゲ」の大量発生 日本海沿岸の各地で漁業に影響 年末ごろまでは日本海を漂うことが予想され冬の松葉ガニ漁への影響にも不安が 島根県
海中にひしめくたくさんのクラゲ。まき網漁の網の中には数えきれないほどのクラゲが入っています。
島根県松江市の海岸でも、網に入らないほどの巨大生物。大きいものでは体長2m重さ100キロを超える「エチゼンクラゲ」です。このエチゼンクラゲがいま日本海沿岸の各地で相次いで確認されているというのです。巨大クラゲの大量発生。その影響は漁業にもー。
漁師
「やっぱりクラゲが網を浮かせてしまう。そしたら底の方の魚は網にかからず逃げちまう。クラゲが入ると今まで獲れていたうちの3分の1ほどしか魚が残らないから商売にならん」
大量に網に引っかかることで網が破れたり、魚にクラゲの色がうつったりして売上に影響が出ているのだそう。約20年前にも大量発生したこの海の厄介者。
鳥取県水産試験場によりますと、大量発生の原因は中国沿岸のプランクトンの増加や海水温の上昇などがあげられていますが、今年急増した原因はわかっていないといいます。そうした中、鳥取県漁協ではクラゲの駆除に乗り出しています。
鳥取県漁業協同組合 岡部督 支所長
「きょうで6日目になりますね。駆除作業できる人は限られているので、道具は1つしかないので。ですので操業する2隻の方は(本業の)操業を取りやめてそれに注力してもらって」
駆除方法は、2隻の船で網を引いてクラゲを囲い込み、網目に引っ掛けることでバラバラにするというもの。海にただようクラゲを捕まえるためにはゆっくりと長い距離を進む必要があり、1日に8時間ほどかかるといいます。
鳥取県漁業協同組合 岡部督 支所長
「クラゲが入る入らないで全然水揚げ量が変わってきますので、それが漁師さん(の生活にも)響いてくる。クラゲが早く落ち着いてくれたらとは」
年末ごろまでは日本海を漂うことが予想されているこのエチゼンクラゲ。11月には冬の味覚、松葉ガニ漁も始まることから漁業関係者にとっては不安な秋となりそうです。