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特急やくも「旧型381系」が定期運行終了へ 日本初の「自然振り子式」を採用した特急車両として注目 整備に携わってきた男性の思い

2024年6月12日 17:38
特急やくも「旧型381系」が定期運行終了へ 日本初の「自然振り子式」を採用した特急車両として注目 整備に携わってきた男性の思い

今年4月に新型車両が導入された島根県出雲市と岡山県岡山市を結ぶJR西日本の特急やくも。いよいよ6月14日、旧型の381系車両が定期運行を終了。長年、整備に携わってきた男性の思いに迫ります。

今年4月、42年ぶりに導入された特急やくも新型車両。現在、15往復中10往復が運行されていて、4月6日から5月6日までの特急やくも全体の1日あたりの利用者数は、約3300人で前年にくらべて26パーセント増加しました。一方で、現在5往復運行されている旧型車両381系は、15日の1運行のぞき14日、定期運行を終了します。

特急やくも「381系車両」は、1982年にデビュー。山陰本線の一部と伯備線全線の電化工事の完了に伴い、山陰で最初の電車として登場。急なカーブも速度を落とさず走れる日本初の「自然振り子式」を採用した特急車両として注目を集めました。

その後、デザインの改良や復刻版など次々と新たな車両が登場。クリーム色に、赤い帯が特徴の懐かしの「国鉄色」やくもに、黄色と緑のラインが入った「緑やくも」色、赤い帯に緑のライン、座席の間隔を広くした「ゆったりやくも」色の3種類が運行されています。

42年にわたり出雲ー岡山をつないできた「特急やくも」381系は、いよいよ6月14日、定期運行に幕をおろすします。

特急やくもは出発前、出雲市の車両所で、点検を受けてから出発。ここに定期運行用の車両として置かれるのも、あと数日です。長年、車両を整備してきた、後藤総合車両所の阿部喜文さん(62)。

後藤総合車両所 阿部喜文さん
「わたしの鉄道人生と一緒なんで、42年お疲れ様でしたというのと、ありがとうございましたっていうのを、やくもに伝えてやりたいですね」

阿部さんは、1980年、18歳で入社。その2年後に、特急やくも 381系が運行を開始し、以来、42年にわたって修理・点検を行ってきました。定期的な点検・修理だけではなく、運転席の窓を大きくして視界が広い、「パノラマ型グリーン車」と言われる、381系の車体の改造などにも関わるなど変化と共に阿部さんも歩み続けてきました。今や、381系の車体は、身内同然の感覚だと言います。

後藤総合車両所 阿部喜文さん
「381系、彼女ではありませんけど、もうちょっと(別れを)しんみりかみしめていきたいと思っています。サンパー(381系)が築いてくれた仲間とか職場を大切にしながら、今後もお客さまに喜んでいただける車両をみんなで送り出していきたいと思います」

特急「やくも」の381系は、一部を除き、14日に定期運行が終了しますが、お盆など、JRの繁忙期には、運行の可能性があります。JR西日本では、381系にまた会えることを楽しみしてもらいながら、より多くの人に新型やくもの利用を促進していくということです。

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