新庁舎の建設などの財源確保に市職員などの「給与カット」する条例案 議員からは厳しい声 物価高などの影響で事業費が約81億円に増加 島根県大田市
新庁舎建て替えに際し、市長や市職員の給料をカットし、建設費用にあてる条例案を提案した島根県大田市。3月4日の市議会一般質問では、議員から厳しい声が上がりました。
大田市議会 和田章一郎 議員
「この度のような新庁舎建設のためという理由での賃金カットは、社会通念上は考えられないことなのであります」
4日に開かれた大田市議会3月定例会の一般質問。楫野弘和市長に対して厳しい質問が飛びます。
議員
「例え労使合意があったにせよ、職員の士気に大きな影響が出るとは思われなかったのか」
大田市では、2031年度の供用開始を目指して新庁舎の建設を計画しています。その訳はー。
大田市総務財産係 髙木裕介 課長補佐
「天井裏全体(防水)シートを貼って雨水を捨てて外に排水するようにしてますが、横の壁面ほどはやっぱり染みてきて、缶置いて入れてますけど今もうこれくらい溜まってる状態ですね。これくらいの雨でも」
大田市役所は建設から40年以上が経過し、複数か所で雨漏りが発生。市役所内の職員休憩室には、畳に大きな雨漏りの染みが出来ています。このほか、廊下には2018年の島根県西部地震の影響によるひびもー。
こうしたことから新庁舎を移転・新築する計画ですが、人件費や物価高の影響もあり、当初40億円だった事業費は、約81億円まで倍増。財源確保のためこれから5年間に渡って、市長や副市長などの特別職や、一般職員の給与をカットする条例案を3月定例会に提案しました。主なカット幅は市長が20%、副市長が15%。一般職員は主任以上が2%~7%です。
大田市は懸念に対し、「職員生活に大きな影響と認識している。市民サービスに影響がないよう職場環境の整備に取り組みたい」と答弁しました。
波紋を呼ぶ新庁舎をめぐる賃金カットの条例案。3月18日に採決する予定で、市議会の判断が注目されます。