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新紙幣発行を悪用した詐欺の手口とは? 既に発生している事案などを現役・警察官が解説 紙幣に関わる詐欺だけでなくキャッシュカードを狙う手口にも注意

2024年7月10日 18:43
新紙幣発行を悪用した詐欺の手口とは? 既に発生している事案などを現役・警察官が解説 紙幣に関わる詐欺だけでなくキャッシュカードを狙う手口にも注意

近年増加する特殊詐欺について、現役の警察官とともに解説していきます。解説は鳥取県警生活安全企画課・波田貴幸 警部補です。

中山沙希 アナウンサー
「特殊詐欺の最新の被害状況を見ていきます。6月末時点での被害状況です。被害件数37件、被害額3138万円。去年の同じ時期と比べると被害額は減ってはいるものの件数自体は増えているんですね」

鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「そうなんです。これは、たまたま1件ごとの被害額が少なかっただけで、すでに去年の件数を上回っているということは、今後さらに被害や相談件数が増えることが予想されていて危険な状況となっています」

中山アナ
「こうした中、今回はどういった詐欺について解説していただけますか」

波田貴幸 警部補
「今回は『新紙幣発行に便乗した詐欺』です」

中山アナ
「新紙幣、つい1週間前に発行されたばかりですよね。まだやはり私たちの生活にそんなに浸透はしていないですが、早くも悪用した被害が出ているんでしょうか」

波田貴幸 警部補
「現時点では山陰地方では報告されていないんですが、全国では何件か報告があります」

■実際にあった手口とは?

ある男性のもとにかかってきた1本の電話。

~かかってきた電話の主①~
「私、役所の田中(仮名)と申しますが、保険料の払い戻しがありますので失礼ですが取引銀行を教えていただけますでしょうか」

役所を名乗る男から保険料の払い戻しを案内するものでした。男性が「A銀行です」と、言われたとおりに男性が銀行名を伝え電話を切るとー。

~かかってきた電話の主②~
「A銀行の鈴木(仮名)です」

今度は男性の取引銀行を名乗る別の男からの電話が。会話の中で男性の自宅に現金が保管されていることがわかるとー。

~かかってきた電話の主②~
「1万円札が新しくなるのをご存知ですか。交換する必要があるので、これから職員が取りに行きます」

その後、男性のもとに男が訪れ、言われた通りに現金を渡したものの返ってこなかったといいます。

◇ ◇

中山沙希 アナウンサー
「これは実際に全国で発生した手口です。警視庁によりますと、6月末時点で4件、総額1500万円の被害が出ているということです。犯人は、このようにこれまでの紙幣が使えなくなるため新紙幣と交換する、預かるといった嘘をついてだましていますね」

鳥取県警生活安全企画課・波田貴幸 警部補
「そうなんです。ほかにも、『古い紙幣は使えなくなります・タンス預金があれば交換のため古い紙幣を預かります』とか『新紙幣が使えるかの調査です・ATMに行って指示どおりに機械を操作してください』といった嘘でだます手口もこの先出てくるのではないかと我々は予想しているところです」

中山アナ
「紙幣を直接狙った手口ということですが、ほかに注意すべきことはなんでしょうか」

波田貴幸 警部補
「このように堂々と紙幣そのものを狙うケースもあるんですが、実はほかにも注意していただきたい手口があるのでご紹介します。それが紙幣だけではなく、キャッシュカードを狙ったものです。具体的には『新紙幣に変わると、今使っているキャッシュカードが使えなくなるので交換します・郵送してください』といった嘘をつき、だましとるというものです」

中山アナ
「このキャッシュカードを狙う手口自体は、被害の報告として挙がっているんですか?」

波田貴幸 警部補
「いえ、まだありません。しかし、今回の新紙幣発行のように社会に大きな影響がでる出来事の時というのは、こうした手口が出回りやすい傾向にあるんです。実際に最近だと平成から令和に元号が変わったときに起きているんです」

中山アナ
「たしかに社会が大きく動いた、影響があった出来事でしたよね」

■元号改正時にあったキャッシュカードを狙った手口とは?

鳥取県警生活安全企画課・波田貴幸 警部補
「そうですよね、そのときにも実際に『元号の改元による銀行法改正について』など、偽の書類を送り付け、キャッシュ番号の暗証番号を記入させてカードと共に郵送させる詐欺も起きたんです。こういったことも実際起きているので、まだ被害報告はなくても我々警察は今回も警戒、そして被害が出る前に皆さんにお知らせしているところです」

中山沙希 アナウンサー
「では、被害に遭わないために私たちはどうしたらよいでしょうか」

波田貴幸 警部補
「まず、新紙幣に変わってもこれまでの紙幣、そしてキャッシュカードの交換は必要ないので、こうした電話・案内が届いたら詐欺を疑ってください。そしてキャッシュカードを郵送させる案内も疑うこと。不安になったら『#9110』警察の窓口につながりますので気軽に相談してほしいと思います」

    日本海テレビのニュース