能登半島地震でも大規模な火災が発生… 命だけでなく大切なものを失う可能性のある火災 全国火災予防運動を前に改めて火災の注意点を考える
能登半島地震の発生から3月1日で2か月。3月1日から春の全国火災予防運動が始まるのを前に、地震の時の火災について考えます。
3月1日からの春の火災予防運動。今年の最重点項目はー。
・住宅防火対策
・林野火災予防対策
の2つです。今回注目するのは、住宅防火対策。なかでも、災害時の火災予防について考えます。能登半島地震の際には、大規模な火災が発生して多くの建物に被害が出ました。実際に現場で活動にあたった人に話を聞きました。
鳥取県東部消防局の森本慎さん。1月10日から12日まで、被災地で活動にあたりました。
鳥取県東部消防局予防課 森本慎さん
「私が行ったのは輪島市の火災現場になります。以前の光景と全く変わっているので、ぞわぞわする感じもあったり、体も身震いするような感覚がありました」
石川県輪島市の大規模火災では、約240棟・5万平方メートルが焼失。森本さんは、この中で行方不明者の捜索にあたりました。
鳥取県東部消防局予防課 森本慎さん
「活動をしている中で、火災のガレキの中を何か大切なものが残ってないかなということで探されている方もおられて、そういったものを目にすると、命とか建物だけではなくて大切なものを失ってしまう火災が怖いというのを改めて実感しています」
この経験を元に、改めて火災予防を訴えます。
鳥取県東部消防局予防課 森本慎さん
「いつ起こるかわからないので、地震が起きればそこから地震による火災も起こりえます。対策はこの機会に進めていただけたらと思います」
大規模な地震が発生した時は、火災の危険も高まります。その原因について特定されたもののうち、
・阪神淡路大震災で 61%
・東日本大震災で54%
が電気を原因としたものでした。
大規模・長時間に及ぶ停電が発生すると、復旧した時に出火する「通電火災」の発生も心配されます。では、こうした火災を防ぐために大切なこととは。具体的な対策についても聞きました。
鳥取県東部消防局予防課 森本慎さん
「感震ブレーカーの設置ですとか、家具等の転倒防止といった出火防止対策に加えまして、住宅用の火災警報器の設置、消火器の設置といったような火災の早期覚知・初期消火対策が重要になります」
地震対策として重要な「家具の固定」は、火災予防にもつながります。
鳥取県東部消防局予防課 森本慎さん
「暖房器具の上に可燃物が転倒したり、移動したり、接触したりとなると火災につながりますので、家具の転倒防止も地震火災の対策の重要なところになります」
また、火災の発生をいち早く知らせる火災警報器。住宅の設置義務化から10年以上経ちますが、山陰両県の設置率は鳥取 83%、島根 85%備え付けるだけでなくこまめな点検も必要です。
3月1日から「春の全国火災予防運動」ということで、山陰各地でも様々なイベントが行われます。家の防火対策について改めて見直すきっかけにしていただけたらと思います。