回転寿司店を街に見立てた作品など 身近な物でまったく別の世界を表現する「見立ての世界」展 独創的な世界をミニチュアで表現 鳥取県米子市
身近な日用品や食べ物などを使って、独創的な世界をミニチュアで表現する展覧会が鳥取県米子市で開かれています。
飛行機に見立てたエビフライに乗る人々を表現した「エビフライト」や、書類をまとめるクリップを椅子に見立て、待合室の人々の様子を表現した「しばらくここで待ってクリップ」。
これらは、身近な物でまったく別の世界を表現する「見立ての世界」。米子市美術館で2月8日から始まったこの展示会は、熊本県出身のミニチュア写真家で、見立て作家としても知られる田中達也さんの作品展。田中さんはNHKの朝ドラ「ひよっこ」で、オープニング映像も手がけました。
見立て作家 田中達也さん
「(自分が大事にしている)子どもというのは、見たての発想がうまいのもどうやって遊ぼうかな。どうやって世の中楽しもうかな、ということを考えているからこそ、そういう発想が生まれてくると思う」
会場には、田中さんがSNSで毎日発信している写真や立体作品、合わせて170点が展示されています。回転寿司店を街に見立てた作品「おスシティー」は、高速道路をお寿司の車が走っています。また、ビルに見立てて積まれた皿の下には人々が歩いています。
「永遠に溶けない雪だるま」は、雪だるまに見立てた指輪のそばで、永遠の愛を誓うように老夫婦が寄り添っているロマンティックな作品です。
そして、地元鳥取県ならではの作品「ベッドに砂丘」も―。鳥取砂丘をベッドに見立て、観光客の姿だけでなく歩いた後の足跡も見られます。
訪れた人
「普段の生活でも、こういうことから発想が広がるということを学んで楽しかったです」
「おもしろいなって、ジョークがすごく利いていましたよ」
「(作品が)かわいいから好き。ほっこりしますね」
見立て作家 田中達也さん
「(作品づくりは)やっぱり意識しないとアイディアは出ませんので、僕は一番アイディアを考える時は、買い物に行ったりしてとにかく物を見るということです。いろいろ環境も変えたり、いろいろな物を見てそこから刺激を受けることが一番大事。ますます中身もパワーアップしているので、より期待して来てもらえるとうれしい」
会場では、全ての作品の写真撮影が可能だということです。また、大きな作品をバックにしたフォトスポットも設けられています。独特の世界観で訪れた人を魅了するこの展示会は、米子市美術館で3月24日まで開かれています。