×

よさこい会場の舞台となる商店街 活路を見出す新たな取り組みとは【高知】

2024年8月15日 18:58
よさこい会場の舞台となる商店街 活路を見出す新たな取り組みとは【高知】
シリーズで振り返っている今年のよさこい祭り。今回は会場の舞台となる商店街の取り組みに注目します。
資金不足と人手不足という課題を抱える中、新たな取り組みで活路を見出し、祭りを支えています。

7月21日、着々と競演場の準備が進んでいたのが、第1回よさこい祭りから競演場として親しまれてきた梅ノ辻競演場です。この日は町内会のメンバーなどが厳しい暑さの中、はしごや高所作業車を使って万国旗を取り付けていきました。

近くの潮江中学校で作っていたのが、踊り子たちに配る花メダルです。梅ノ辻の名前にちなんで、梅の花をモチーフにしたピンク色の造花を使った花メダル300個を次々と作っていきました。
人手不足を解決するのが踊り子たちの力。花メダルを作っていたのは、梅ノ辻競演場でこれまで踊って来たチームの踊り子たちです。
高齢化の進む梅ノ辻町内会では準備のためのスタッフが足りず、10年以上前から踊り子の力を借りて準備を進めています。この日は、5つのチームから約50人の踊り子が競演場の準備に駆けつけました。

また、今年は新たなアイテム「光るうちわ」が登場しました。この「光るうちわ」は物価高騰などで不足する運営費に充てようと、500円の寄付に対して1枚を返礼品として渡すもので、2日で360枚を準備しています。

よさこい祭りの会場のひとつ、高知市の愛宕競演場。
商店街代表や実行委員会メンバーらは、資金不足と人手不足という競演場が抱える2つの課題に取り組もうと、今年も数々の工夫を行ってきました。

人手不足を解消しようと力を入れたのが、ボランティア集めです。
8月3日、菜園場競演場と愛宕競演場のボランティアに向けた説明会が行われました。これはいの町の県青年団協議会が去年に続いて募集したもので、県内外から約30人の高校生や大学生が参加しました。
愛宕競演場の実行委員長・矢原道貴さんは、自身が高知に移住し祭りに関わるようになった経緯やよさこいへの熱い思いを参加者に伝えました。ボランティアは当日給水所をメインに祭りをサポートします。

そして、資金不足を解消するため今年初めて企画したのが、本祭2日間のグッズ販売です。競演場オリジナルのTシャツやトートバッグなど約10点を販売し、売り上げは競演場の運営費に充てられます。
8月2日、祭り当日の混乱を避けようと試験的に販売が行われました。

8月4日、愛宕商店街では早朝から祭りに向けた準備が行われていました。参加したのは商店街スタッフや祭りに参加する踊り子など約100人。本部席の設置や紅白の提灯の取り付け、踊り子に贈る黄色い特製の花メダル作りが着々と進められました。

10日。本祭1日目が始まりました。
愛宕競演場では路線バスが通行するため、踊り子を片側に寄せる誘導スタッフは欠かせません。
長さ500メートルと、競演場の中では最も長い愛宕競演場。沿道では商店街スタッフやボランティアが踊り子にメッセージも。

本祭2日目。資金面を補うため、本祭期間中初めて設けた商店街のグッズと引き換えに募金をつのる特設ブースは、反応も上々でした。来年以降も設置する見込みです。

今年は物価高騰の影響もあって愛宕の黄色い花メダルは例年より少ない数となる予定でしたが、ボランティアから寄付が集まって最終的に例年と同じ500個を用意できたそうです。

沿道では観客が踊り子をうちわで仰ぎながら演舞を応援していました。
踊り子と観客の距離の近さも愛宕競演場の魅力です。いつもは静かな商店街ですが、本祭の期間は大賑わいです。地域を活気づけるよさこい祭りは、商店街にとって欠かせないイベントです。

毎年頭を悩ませる資金不足と人手不足という課題。会場の舞台となる商店街は知恵をしぼって祭りを支えています。
高知放送のニュース