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喜びをテーマに開催!『未来の絵金コンテスト特別編』 受賞作品決まる【高知】

2025年3月14日 18:56
喜びをテーマに開催!『未来の絵金コンテスト特別編』 受賞作品決まる【高知】
絵金」の名で知られる幕末の絵師・金蔵が描いた屏風絵を収蔵する高知香南市絵金蔵で、未来の絵金を見つけるコンテストが開かれました。

ろうそくのあかりで照らされる屏風絵。
香南市赤岡町で開かれる土佐赤岡絵金祭りは、幕末の絵師・金蔵、通称「絵金」が描いた作品を町の通りに特別展示する夏の恒例イベントです。

絵金は江戸時代末期に高知城下で生まれ、幼いころから絵の才能に恵まれ、土佐藩家老のおかかえの絵師として腕を振るいました。二つ折りの大きな屏風に歌舞伎の名場面を描いた芝居絵屏風が知られていて、香南市には絵金の作品が県内で最も多く伝えられています。

香南市の絵金蔵には絵金の半生の紹介や絵金が手がけた屏風絵を収蔵していて、今年2月に開館20周年を迎えました。

ここで30日まで開催されているのが、絵金文化の継承を目的とした「未来の絵金コンテスト特別編」です。
3回目の今回は、特別編として「喜び」をテーマに作品を募集しました。
絵金と言えば怖いイメージがありますが、なぜ喜びなのでしょうか。

■学芸員・中西さん
「絵金蔵は、やなせたかしさんをモデルにしたドラマの放送を機に開催される観光博『ものべすと』の、香南市のメイン会場になっています。それを記念してやなせさんの『すべての芸術、すべての文化は人を喜ばせたいということが原点』という言葉から、やなせさんと絵金は接点がないものの、同じ芸術家として人を喜ばせたいという思いは変わらないことから喜びをテーマにしました」

絵柄は違えど、人を楽しませるために絵を描いたやなせたかしさんと絵金。2人の思いである「喜び」をテーマに県内外から過去最多の222作品が集まり、一般の部と小学生以下の部で入賞作品が決まりました。

一般の部の最高賞「未来の絵金賞」に選ばれたのは、茨城県の犬塚理緒さんの作品「小さな喜び」。色鮮やかな赤や黄色が目を引く不思議な世界観の一枚です。喜びの中に含まれる苦しさ、悲しさといった様々な感情を表現したもので、審査員からはあふれるエネルギーや細部にまでこだわったストーリー性が評価されました。

入賞作品は、絵金が描いていた芝居絵屏風を模したミニ屏風にして展示されています。

ほかにも館内には惜しくも受賞を逃した作品も含め合わせて129点が並んでいて、日々の生活や特別な瞬間といった応募者それぞれの喜びが描かれています。

「未来の絵金コンテスト特別編」は香南市赤岡町の絵金蔵で、3月30日まで開催されています。
最終更新日:2025年3月14日 18:56
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