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【熱海土石流】盛り土規制が“緩くなる”ことを危惧…被災遺族ら「被害者の会」が知事に意見書提出(静岡)

2024年8月7日 17:39
【熱海土石流】盛り土規制が“緩くなる”ことを危惧…被災遺族ら「被害者の会」が知事に意見書提出(静岡)

静岡県の「盛り土規制条例」の見直しを巡り、熱海土石流災害の遺族らでつくる「被害者の会」が、規制が緩くなることを危惧し、知事に意見書を提出しました。

7日、鈴木知事のもとを訪れた被害者の会の会長、瀬下雄史さん。

(被害者の会 瀬下雄史さん)
「被害を一番知る者として、直接知事に意見を述べさせていただきたいと思います」

3年前に発生した熱海土石流災害では、災害関連死を含め28人が亡くなり、瀬下さんも母親を亡くしました…。

危険な盛り土の規制を強化するための“国の法律”、「盛り土規制法」。これは、2023年から施行されていますが、県ではその前の年“県の条例”として独自の「盛り土規制条例」が施行されています。しかし、この条例について一部の事業者から“審査基準が厳しい”ことや「法律」との“二重規制の負担が大きい”など、見直しを求める声が上がっていました。

これを受け県議会では、これまでに条例の必要性や見直しについて議論する特別委員会を開いていて、出席した建設業協会などからは「申請のための書類が多い」「条例により費用が高騰している」といった意見があがっていました。また、県も「事業者や委員の意見を聞いて県の条例を見直したい」方針で、条例の改正に向けて調整する意向を示していました。

瀬下さんは“条例の見直しに懸念”を抱いています。7日に提出した意見書では、「条例が緩くなることで違法行為を行う事業者が暗躍することを危惧する」と指摘した上で、「優良企業は重複する書類審査などを免除することも可能ではないか?」などと示されました。つまり、見直しを進めるのであれば、「悪徳業者を排除」し、「優良企業」については手続きなどを簡素化することも含めて議論してほしいと意思を伝えたのです。

(被害者の会 瀬下雄史さん)
「盛り土が崩れたというよりかは、ごみが崩れたのが熱海の本質ですので、決してそのようなことが第2第3の熱海のようなことが起きないようにと、その辺りを強く意見として述べさせていただいた」

(鈴木知事)
「環境面で言うと、汚染土砂の搬入の防止も大事な取り組みになっていきますので、こちらは盛り土規制条例の方でしっかりと対応していきたい」

特別委員会は、他県の盛り土対策の現状を調査するため、6月と7月に千葉や大阪などで現地を視察していて、また9月に委員会を開き、意見をまとめていく方針です。

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