28日夜9時半頃。

（芳賀 康俊 記者）
「声もかき消されるほどの大雨です」

静岡県内各地で連日降り続いている雨。29日、焼津市内では車が水しぶきをあげながら走っていました。昼ごろの浜松市内。

（提坂 貴文 カメラマン）
「浜松市内です、大粒の雨が地面に打ち付けています」

29日も、県内では雨が断続的に降り続き、熱海市では1時間に45ミリの激しい雨を観測しました。非常に強い勢力で九州付近を1時間に約15キロの速さで北北東？に進む台風10号。

29日 午後、静岡地方気象台が台風10号に関する説明会を開催し、県内では29日の夜から30日の午前中にかけて、大雨災害の危険度が急激に高まる線状降水帯が発生する可能性があると説明しました。また、9月1日から2日にかけて県内に接近する可能性があり、この影響で、9月2日にかけて断続的に雷を伴う雨が降り、警報級の大雨となる可能性が高いということです。すでに県内では西部のほとんどの地域に土砂災害警戒情報が発表されているほか、中部の一部地域に大雨警報が発表されています。

沼津市では台風に備え排水ポンプ車を市役所前に配備しました。2024年6月の大雨では、大平地区に流れる大平江川があふれ、多くの住宅が浸水被害に遭いました。この排水ポンプ車は大平江川が増水した際に稼働させ、川の水を吸い上げ、狩野川に放流されるということです。

さらに、浸水対策も呼びかけられています。

静岡市駿河区のパチンコ店。台風10号の接近に伴い立体駐車場の4階、178台分を車両の避難場所として開設しました。パチンコ店は少しでも車の浸水を不安に思ったら利用してほしいと呼びかけています。

（新日邦　原 幸史 主任）
「（今までも）線状降水帯などで車が水没したりということが」「あった。 駐車場は24時間体制で人を置いて準備をしているので、困ったらきてほしい」

避難場所は、台風が通過するまでの間、営業時間を問わず開設していて、受付で駐車許可証を受け取ることで利用できるということです。

台風の影響で各方面に影響が出ました。

JR静岡駅では、東海道線が、始発から静岡～掛川駅間の上下線で運転を見合わせたため、新幹線から乗り換えを予定していた利用者から困惑の声が聞かれました。

（東京から仕事で来た人）
「新幹線で静岡に着いた、清水駅の方へ行って、夕方は掛川方面へ移動する予定。在来線が止まると移動が難しいので大変」

（東京から観光で来た人）
「焼津で食事をして帰る予定だったが、電車が止まっているのでどうしようかと思っている」

浜松市では、29日までに夏休みから再開となるはずだった小中学校39校のうち15校が、台風の影響で臨時休校となりました。29日に始業式を予定していた富塚西小学校では、28日の時点で30日までの休校を決めました。

（富塚西小学校　稲田 晴彦 校長）
「きのうの時点で警戒レベル４、避難指示がこの地区に出されていて、このまま措置が続くと思われたので、富塚中学校区で休校と判断しました」

この地区には土砂者災害の危険か所があるため、安全を第一に判断しました。来週月曜日については、台風の動きを見定めて対応を検討するということです。

焼津市にある農園では、台風の接近に備え、先週、土曜日から収穫を前倒しで行っています。29日も収穫作業に追われていました。

（杉山農園　杉山 謙介さん）
「いま、豊水というナシが最盛期で、それはもうずっと取ってたんですけど、それでもちょっとやっぱり青めのものも、やむを得なく取ってるものも。後ろになってる“あきづき”というのが、これから旬を迎えるんですよ。本当は取ってしまいたいんですけど、まだ青いんで、台風で落ちなければいいなと思ってます」

この農園は、過去にも台風の被害に遭っていて、その時は、軽トラック２台分のナシが落下してしまったそうです。

（杉山農園　杉山 謙介さん）
「何とかどっちかにそれてほしいですね」

できる対策は続ける一方、被害がないことを祈るしかないと話しています。