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【全国平均の3倍超】女性運転士が活躍「しずてつジャストライン」…バス運転士不足の中でなぜ?(静岡)

2025年2月12日 17:17
【全国平均の3倍超】女性運転士が活躍「しずてつジャストライン」…バス運転士不足の中でなぜ?(静岡)

全国的にバスの運転士不足が課題となる中、静岡市の「しずてつジャストライン」では、全国平均の3倍以上もの女性運転士が活躍しています。なぜ、それほど多いのか。これから運転士を目指す女性を通して取材しました。

静岡市に本社を置く「しずてつジャストライン」。この日、バスの運転士を目指す4人の教習生が研修を受けていました。4人全員女性です。

現在、「しずてつジャストライン」の運転手605人の内女性運転士は44人。全体の7パーセントほどですが、全国平均の2パーセントと比べると3倍以上の割合です。

(しずてつジャストライン 広報)
「当社でいうと、女性運転士が40名以上が活躍しているので、女性運転手の姿を見て自分もやってみたいという気持ちになった人がいるので、そういった人たちをプロの運転士として育成する、そのために、この施設、安全研修センターを開設した」

先輩女性運転士の存在が、志望者を、さらに増やしているようです。

2024年10月に入社した岡田文見さん 42歳。前職は運送業ながら、事務職だったという岡田さんも、入社理由は女性運転士の働く姿でした。

(しずてつジャストライン 岡田 文見さん・42歳)
「通勤途中とかで女性の運転士さんが運転しているのを度々見かけていて」「自分でも出来るのかなと思いました」

そんな、岡田さんの気持ちを後押ししたのが、月に1回、安全研修センターで開かれているバスの「運転体験会」でした。

(しずてつジャストライン 岡田 文見さん・42歳)
「私はAT車限定だったので、MT車を乗ったことがなかったので、クラッチ操作とかも全くわからない状態で乗ったので、ガタガタさせてしまっって」

そう話す岡田さんですが、実際にハンドルを握ることで、どんな仕事かが実感できたようです。

(しずてつジャストライン 人事部 安田 貴明 副部長)
「免許を持っていない人でも、安全研修センターで運転できる運転体験会を定期的に行っていますので、そういった所で、まずバスの運転士の仕事を理解してもらい、理解を深めてももらいたい」

さらに、女性の採用を強化するにあたり作られたのが、 女性専用の休憩室。ロッカールームやシャワールーム、仮眠室があり、入口もセキュリティが万全で、カードキーが無ければ入室できません。このような休憩室は、県内8か所の営業所の内7か所に整備されていて、女性運転士確保に大きく貢献しています。そんな環境に岡田さんも…。

(しずてつジャストライン 岡田 文見さん・42歳)
「そもそも、女性ドライバーが活躍しているところは見ていたので、女性でもできるという部分ではあるので、特に、男社会に飛び込むという感覚はないです」

「しずてつジャストライン」では、運転士になるまでに、3か月から4か月程研修を行います。この日、入社から4か月目の岡田さんは、運転士になるための修了検定に臨みました。検定は実技と学科で行われ、午前中は本番さながらに、実際の路線ルートを走行して乗務を実践します。そして、岡田さんの番に。

(しずてつジャストライン 岡田 文見さん・42歳)
「お待たせいたしました、こちら大浜麻機線、静岡駅経由、大浜行きとなります」

慎重に走り出した岡田さん。しかし早々に「試練」が訪れます。

(しずてつジャストライン 岡田 文見さん・42歳)
「発車します…」

左折する際、信号待ちで停車する車に気をとられてカーブを曲がり切れず…。それでも、何とかバックで車線に戻り、難関の狭いカーブを通過しました。その後は、大きなミスもなく順調に走行しますが、岡田さん。表情は固いまま。

(しずてつジャストライン 岡田 文見さん・42歳)
「緊張しました。やはり状況が毎回一緒のことはないので、それに対応することがちょっと…」

その後も検定は続き、午後は室内で本物のバスを使った事故対応や、車いすの乗客の乗り降りの対応の仕方を行いました。その後も、息つく間もなく学科を受けて、検定が終了。果たして岡田さんたち受験者の結果は…。

(所長)
「お疲れ様でした。きょうの卒業検定の合格者と発表しますけども、5名とも『一応』合格です。一応」「岡田さんら3名は修正が必要なので、残ってください…」

もう少し補習をすることにはなりましたが、何とか合格。4か月をかけてもなかなか厳しい結果でしたが、岡田さんの気持ちは前を向いています。

(しずてつジャストライン 岡田 文見さん・42歳)
「自分がバスの運転をやってみて、本当に難しいなというのは感じているんですけど、ただ、これがうまくできた時というのは、本当に達成感がすごいんだろうなというのは感じています」「判断を早くして、安全運転で運転できるようなドライバーを目指していきたい」

来週から、岡田さんは、配属先の営業所で、運転士として正式にデビューする予定です。

最終更新日:2025年2月12日 17:17
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