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北海道に札幌に強力な追い風?どうなる・何が起こる「GX特区」北大・石井一英教授大いに語る

2024年6月5日 18:43
北海道に札幌に強力な追い風?どうなる・何が起こる「GX特区」北大・石井一英教授大いに語る

国際的な金融都市を目指す「金融・資産運用特区」に、北海道と札幌市が指定されました。

専門家は「追い風」に期待する一方、まちづくりに生かすことが重要だと指摘します。

2023年11月、国際環境金融の先進国として知られるヨーロッパのルクセンブルク。

道や札幌市など21の機関からなる共同事業体「チーム札幌・北海道」の視察団が訪れていました。

学んでいたのはGX=グリーントランスフォーメーションと呼ばれる、脱炭素社会を目指す取り組みです。

無料化を実現した公共交通を視察したほか、金融ラベル庁を訪問し、環境に配慮した金融商品を認証する「認証ラベル」の手法について聞き取りを行いました。

(札幌市 秋元市長)「金融センターとなる環境というものが、これから札幌と北海道にどういうものが必要なのか。再エネはヨーロッパが進んでいますから、しっかり勉強できれば」

風力や太陽光、地熱など再生可能エネルギーの潜在能力が全国随一とされる北海道。

政府は2024年6月4日、北海道と札幌市を「GX金融・資産運用特区」に指定しました。

国内はもちろん海外から投資を呼び込むのが狙いで、10年間で40兆円に上る投資を見込んでいます。

特区の指定でどんな効果が期待できるのでしょうか?

(北大大学院工学研究院 石井一英教授)「これまでは環境と経済はトレードオフするものだったと、経済が良ければ環境はだめになってしまうし、環境に力を入れすぎると経済が弱くなってしまうという関係だったものが、GXはむしろ環境を良くしながら経済を良くしようということで、両方良くしようというのがGXの根本にある考え方。日本は海外に石油や天然ガスのお金で年間16兆円~18兆円お金を払っているわけですよね、一番高い時は20兆円を超えました。その一部を外に払わないで自分たちの地域に払うということなんです。その分、地域の経済は強くなるので、エネルギーの地産地消は地域経済にとっても意味がある。その事業を法律的に少しやりやすくしようとか、税制的に少し優遇しようというのが今回の特区になります」

特区の指定で恩恵を受けるのは、GXの事業推進に向けた環境整備です。

新規に参入する海外事業者の行政手続きのサポートや、銀行によるGX関連事業への出資の緩和などが掲げられています。

(北大大学院工学研究院 石井一英教授)「GX特区は間違いなく北海道にとって追い風になる政策だと思っています。GXはあくまで手段だと、目的はまちづくり、地域課題を解決して将来に向かった持続可能な社会をつくっていくというところのひとつの手段だということを認識して、GX特区を上手に使えばプラスになるけど、使い方を誤ると決して地域のためにならないんだということを認識しながら、GX特区のプラスの運用を期待したい」

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