安全確認が不十分なまま反対方面の列車を通過させる 函館線貨物脱線事故でJR北海道が指示
函館線で去年11月に発生した貨物列車の脱線事故で、JR北海道は事故直後、安全確認が不十分なまま反対の函館方面に向かう列車を通過させていたことがわかりました。
この事故は去年(2024年)11月16日、JR函館線の森―石倉駅間で札幌方面に走行していた貨物列車が脱線したものです。
JR北海道によりますと、脱線した貨物列車の運転士は事故発生直後、列車が非常停止したことを運行を管理する輸送指令に報告しました。
運転士は当時、列車が脱線したことに気づいておらず、輸送指令も事故の状況を十分確認しないまま、反対の函館方面に向かう貨物列車に運行を続けるよう指示したということです。
その後、函館方面に向かう貨物列車の運転士が現場を通過した際、車両が分離しているのを発見し、事故が発覚しました。
JR北海道は「詳しい状況を把握してから運行を指示するべきだった」としていて、こうした当時の対応を北海道運輸局に報告。再発防止に努めるよう指示があったということです。
◆脱線事故発覚までの経緯(2024年11月16日)
午前1時38分ごろ、札幌方面に向かう貨物列車が非常ブレーキを作動
付近を走行中の列車を停止させる「防護無線」を発し、輸送指令に報告
輸送指令は、函館方面に向かう貨物列車に次の信号場で停止するよう指示
午前1時43分ごろ、事故を認識しないまま輸送指令が函館方面の運行再開を指示
午前1時46分ごろ、函館方面に向かう貨物列車が現場を通過、車両の分離を認識し停止
午前1時48分ごろ、輸送指令に状況を報告