3月末は予約満杯の日も 「引っ越し難民」の恐れ 背景に何が… 業者は分散呼びかけ
今月は企業や公務員の移動時期をむかえますが、希望する日に引っ越しができない「難民」が発生する恐れが出ています。
関連の業界は「分散引っ越し」を呼びかけていますが、背景には何があるのでしょうか。
(業者)「ハトのマークの引越札幌センターと申します。お見積もりの件でご連絡しました」
札幌市の引っ越し業者です。
引っ越しシーズンの繁忙期を前に問い合わせが相次ぎ、事務所の電話は常にふさがった状態になっていました。
引っ越しの予定表を見ると、今月末はすでにほぼ満杯の日も。
希望する日に引っ越せない「難民」が発生する恐れが出てきています。
そこで、業者では希望日の変更を客にお願いしていました。
(業者)「お日にちなんですけれど、4月5日前後こちら大変混みあっておりまして、お時間ご相談させていただくこと可能ですかね」
(引越専門協同組合北海道 新札幌センター 杉尾公啓センター長)「この日でいうと28件予定が入っています。(今後)件数オーバーしたなら、その時はお客様に正直に残念ながらもう作業できなくなっていますと話をしなければいけない」
背景にあるのが、運送業界の慢性的な人手不足です。
最近の宅配需要の増加も加わり、ドライバー不足が深刻化するなか「2024年問題」がのしかかります。
労働基準法の改正で、ことし4月から現在無制限のトラックドライバーの時間外労働は、原則「年間960時間」に規制され、さらなる人手不足が懸念されています。
(鷲見記者)「“引っ越し難民”を避けるために呼び掛けられているのが“分散引越し”です」
ことしの引っ越しは今月16日から来月7日にかけてがピークと予想されています。
この混雑時期には引っ越し料金も値上げされていて、利用者にもしわ寄せがきています。
そこで道内のトラック業者の団体は、引っ越し時期のピークを避ける「分散引っ越し」を呼びかけています。
(北海道トラック協会 樋口康弘専務理事)「辞令が出れば即座に引っ越しになるんでしょうけど、そこを若干緩和すればピークを避けた形の引っ越しができるのでは」
ドライバー不足が緩和される上、利用者にとっては料金を安く抑えられるというメリットがあるという「分散引っ越し」。
受け入れる人や企業が増えていくのか注目されます。