脱線から4日…JR函館線運転再開も…室蘭線でまた“異常”寒暖差原因か 鉄路の安全どう守る?
2024年11月16日に発生した貨物列車の脱線事故で、運転見合わせとなっていたJR函館線が、19日の始発から4日ぶりに運転を再開しました。
(山口県からの旅行客)「朝いちだったのもあって復旧するのか不安でした。(復旧して)うれしいです。良かったなって」
19日午前6時ごろ、始発となる札幌行きの特急列車は、乗客およそ20人を乗せて函館駅を定刻通りに出発しました。
(長岡記者)「乗客を乗せた列車が事故現場を通過します」
4日ぶりの運転再開ですが、レールを入れ替えた区間は当面の間、速度を45キロ以下に落として走行するということです。
16日、JR函館線の森駅と石倉駅の間で貨物列車が脱線しました。
脱線が起きたとみられる踏切付近では、1メートル以上にわたる破断したレールが見つかっています。
なぜレールが破断したのか。
(JR北海道 島村昭志鉄道事業本部長)「レールの腐食が脱線の原因の1つになった可能性が高い」
脱線事故はレールの腐食・錆が原因で起きた可能性が高いとの見解を示しました。
9月にエコーを使用した点検を実施していましたが、なぜ事前に腐食を発見できなかったのでしょうか。
正常なものは一定のエコーが表示されますが、腐食していたレールではエコーが途切れて表示されました。
その際、敷板を外さず目視での確認にとどまりましたが、ルールとして敷板を外しての点検は定められていないということです。
多くの乗客が利用する特急列車も走るレールで見つかった腐食。
安全の根幹を揺るがしかねません。
(中野洋昌国交大臣)「旅客や貨物の輸送に影響が生じたことを重く受け止めている。事業者を適切に指導していく」
国交省は、全国の事業所に同じような条件の踏切を点検するように指示しました。
運転再開から7時間半後の19日午後1時半ごろ、JR室蘭線で線路に異常が見つかり、一部の特急列車がおよそ2時間にわたり運転を見合わせました。
JR北海道によりますと、異常があったのは小幌駅と静狩駅の間の札幌方面に向かう線路です。
定期点検中の保線作業員がレールとレールの切れ目をつなぐ板が折れているのを発見しました。
寒暖差が原因で板が損傷したとみられています。