「自分の居場所を見つけてほしい」障害ある子や親に寄り添う 道場や塾…選べる喜び 北海道
障害がある子どもたちに居場所をつくろうという取り組みが北海道内で進んでいます。
スポーツ教室で、学習塾で。
悩みを抱える親にも寄り添う思いがありました。
苫小牧市にある柔道教室です。
就学前の子どもから中学3年生まで、30人が一緒になって汗を流します。
背負い投げを決める小学5年生の高橋陽向さん。
生まれつき右手に麻痺があります。
指導をする水見智織さんは6年前から、障害がある子どもたちの受け入れを始めました。
(水見智織さん)「(障害のある子を)区別はしないけど配慮はする。諦めない気持ちとか相手を思いやるやさしさとか、そういうのが芽生える瞬間を目にすることは結構あります」
柔道は個人競技で、みんなと一緒の動きをせず個性を発揮できるのが特徴で、年齢や体格差のあるさまざまな人と組み合って、コミュニケーション力を向上させることができるといいます。
(高橋陽向くん)「一年前は雪とか氷ですべっていたところを最近は転ばなくなった。いいスポーツに会えたと思います」
(母 由美さん)「感動しますよね、やっぱり。ここまでできるんだと思いましたね。水見先生と出会えて楽しく柔道をやれているのでよかったです」
(水見智織さん)「新たな一歩を踏み出して、親子ともども自分の居場所を見つけてほしいと思います」
“子どもの居場所をつくる”取り組みは学習塾でもー
(小学生)「2×4が8。わからなくなった…」
(講師)「わからなくなった?よし、ここまであってるよ」
発達障害を理由に受け入れを断る学習塾もあるなか、札幌市内の個別指導塾では、発達に課題を抱える子どもたちも受け入れ、ゲーム形式で学習するなど、家庭的な雰囲気での指導を心がけているといいます。
(小学生)「ここの塾に来てたくさん(勉強)できるようになった」
さらに、定期的に職員への講習会を開くなど、様々な特性を持つ子どもたちを受け入れられる体制づくりも進めています。
(日本心のバリアフリー協会 杉本梢代表理事)「障害があって1番心がもやっとするのは選択肢が少なくて選べないこと。そういった子どもたちに寄り添って力を発揮してほしい」
(アドバンス桑園校 吉田誠講師)「わからないことをわからないと言える場所、自信がもてるように助けてくれる場所、相談できる場所でありたいと思っています」
すべての子どもたちがいきいきと安心して暮らせる場所を目指してー
子どもたちの居場所づくりが少しずつ進んでいます。