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禁煙か分煙か 路上喫煙減るも受動喫煙のおそれ 喫煙所設置の実験から1か月 札幌・大通公園

2024年1月11日 18:37
禁煙か分煙か 路上喫煙減るも受動喫煙のおそれ 喫煙所設置の実験から1か月 札幌・大通公園

制限区域外での路上喫煙対策として、喫煙所を設ける実証実験が始まってから1か月が経ちました。

札幌・大通公園で行われたこの実験。

市民からの賛否は。そしてその効果は?

札幌の大通公園・西5丁目に先月4日に設置された喫煙所です。

11日も多くの喫煙者が利用していました。

(札幌市民(喫煙者))「会社が近いので、会社の中に(喫煙所が)ないので、場所がどこか決まっているところがあれば、もうちょっとちゃんと決まった場所で吸う人も増えるんだけど、ここも狭くてちょっととは思いますけれども」

大通公園・西1丁目から西4丁目は、条例によって指定された場所以外での喫煙が禁止されていますが、5丁目より西は制限区域にはなっていません。

このため昼どきともなると…

(鷲見記者)「正午過ぎの大通公園・西7丁目です。お昼休憩中でしょうか、続々とタバコを吸う人が集まってきました」

札幌市の調査では、先月4日に西5丁目に喫煙所を設置して以降、付近での路上喫煙はおよそ7割減ったといいますが…

(鷲見記者)「先ほど男性がタバコを吸った場所を見てみると、タバコの吸い殻が残されているのがわかります」

路上喫煙やポイ捨てはそれほど減っていないようにも見受けられます。

(札幌市民(非喫煙者))「吸わないほうからすると、ちょっとなんでかなとは思いますね。分煙というのはスペースを分けて(喫煙)できるようになるというのは、吸う人にも吸わない人にもいいのかなとは思いますね」

(札幌市民(非喫煙者))「せめてこの大通ぐらいはマナーを守ってもらえるとうれしいんですけれども、ちょっと奥まったところで(喫煙所が)あったらいいなと思います。通りはちょっとね、あまり私は好まないですけれどもね」

大通公園・西5丁目に設置された喫煙所は、天井がない、仕切りだけの開放型で「煙が漏れる」など受動喫煙を招くおそれも…

このため禁煙学会は実証実験の中止を求めています。

(日本禁煙学会北海道支部長 松崎道幸医師)「吹きさらしのところでたくさんの方々がタバコを吸う状態は、そこから濃い受動喫煙がどんどん発散されますから、大通公園全体を喫煙禁止区域にするというのが一番いい解決法だと思います」

その一方で、タバコを製造・販売しているJT=日本たばこ産業は、問題の解決には喫煙所などの分煙施設の設置が必要だと話します。

(JT北海道支社 土川慎一郎副支社長)「受け皿となる場所がないと、どこでもタバコを吸ってまた規制が強くなってしまうということがあるので、基本的には喫煙所・分煙という形の設置をするというのが、私たちのほうでは提案しているものですね」

大通公園に新たな喫煙所を設置した札幌市の実証実験から1か月あまり。

目に見える形の効果はまだ表れていないようです。

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