北海道「春節スケッチ」旭山で登別で空港で…大行列そこかしこに オーバーツーリズム対策最前線
中華圏の旧正月「春節」の大型連休で、北海道内は多くの観光客でにぎわっています。
交通機関の混雑などを防ぐため、人気の観光地では新たなサービスの実証事業が始まります。
(林記者)「旭山動物園です。開場前から長蛇の列ができています」
開園30分前にもかかわらず大にぎわいの旭川市・旭山動物園。
(台湾からの観光客)「友達と家族と一緒に来た。特にペンギンの散歩が楽しみ」
2025年1月28日からはじまった「春節」に伴う大型連休で中華圏からの観光客が急増しているため、開園時間を15分繰り上げて対応しています。
1番人気はペンギンの散歩です!
動物園の来園者は2024年の同じ時期と比べて5割から6割ほど増加しました。
そのため、旭川駅前のバス乗り場では…
(アナウンス)「旭山動物園行きです」
動物園までの臨時バスを運行するなど対応に追われています。
(乗車対応する職員)「増便は限られた台数でやっているが間に合わない。てんてこまいです」
観光客は今後もさらに増える可能性があると言います。
(旭川市旭山動物園 田村哲也園長)「あまりに多くの客が来て混雑することに対して体制をしっかり強化したい」
観光客の急増で懸念されるのは、地域住民が迷惑を被る「オーバーツーリズム」です。
バス停の前に長蛇の列ができていたのは登別温泉です。
観光客は大きなスーツケースを抱えているため、積み下ろしに時間がかかったり…
通路も荷物であふれ立ち乗りができなくなっていて、運行ダイヤが大幅に乱れることもあるといいます。
そこでバス会社は…
(道南バス 高本克彦さん)「通常こちらに座席が2つあったが、その座席をとって、ここに荷物を置いてもらう流れになっている」
車内に専用の荷物置き場を作り、立ち乗りも含め1台あたりの乗車人数を増やす対策をしました。
しかし、増便せざるを得ない状況は変わらないと言います。
この問題を解決するため、ある実証事業が始まります。
スーツケースを預けたのは…
(鷲見記者)「新千歳空港ではなく登別市内の施設なんです。このように空港に行く前に荷物を預けることで、手ぶらで観光できるようになるんです」
新千歳空港の利用者を対象にしたチェックイン窓口が登別駅近くに設置されました。
(担当者)「搭乗券をお願いします。羽田空港行きで間違いないですか」
預けた荷物を到着先の空港まで運んでくれるサービスです。
料金は荷物1つにつき2000円、専用アプリを通じて荷物の位置情報も確認できます。
(次世代空港技術研究会 水野一男さん)「ここで手荷物を放してもらうと、列車内・バスの混雑をかなり解消できるのではと考えています」
旅行者の利便性向上と交通機関の混雑解消を目指した実証事業は2月4日から始まります。