車道で写真を撮る外国人多数 オーバーツーリズムの実態に山本記者が突撃取材 小樽の人気観光地
事故が起きる前に早急な対策が急がれます。
問題となっているのは、過度な混雑やマナー違反により地元住民の生活に悪影響を与える「オーバーツーリズム」です。
いま、北海道小樽市でも課題を抱えています。
多くの外国人観光客で賑わう小樽市の船見坂です。
車道に出て写真を撮る人があとを絶ちません。
(山本記者)「車が左折していますが、道路の中央にいて非常に危ないです」
車が近づいても構わず撮影を続け、車が避ける場面も…
「映える」写真を撮るため所かまわず…という迷惑行為が目につきます。
この様子を見ていた中国人観光客に聞いてみるとー
(中国人観光客)「もしガードレールがあれば歩道と車道の区別がつきやすいと思う」
(中国人観光客)「観光客にとっては安全が第一だと思う」
同じく小樽市の銭函の海岸も、多くの外国人観光客が訪れる人気スポットです。
(中国人観光客)「海が見たくて来ました。こういう投稿をSNSで見て銭函に来ました」
SNS上に投稿され人気を集めていたのは、青い海に青い空、そこに白い雪…というコントラストが美しい銭函の風景です。
中国国内のSNSで話題になっているというこの場所でもある問題がー
(地元住民)「どこでも入ってきてふっと見たら自分の家の敷地内で写真撮っていたりとか」
(地元住民)「道路もクラクション鳴らしても基本みんな気にしない」
地元住民が頭を悩ませているのが、相次ぐ私有地への立ち入りや交通マナー違反です。
住民たちは手作りの看板も設置していました。
私有地に立ち入っていたグループに話を聞くと?
(山本記者)「私有地に入られて困っている人がいるが?」
(中国人観光客)「看板を立てて正しい(海への)行き方を示せばいいと思う」
(中国人観光客)「注意書きがなかったら楽しくて忘れちゃうかもしれない。注意書きがあればここに住む人に迷惑をかけないように意識できる」
さらに、車道に出て撮影をするこちらの観光客はー
(山本記者)「この道は危険だと思いますか?」
(中国人観光客)「ちょっと危険だと思うけど、車が少しゆっくり走ってくれれば大丈夫だと思う。でもちょっと狭すぎるのでこれは“歩道”とは言えないと思う」
取材を進めると、日本のルールを理解していない外国人観光客が多いことがわかりました。
地元住民の思いはー
(地元住民)「生活している人がいることを気にかけてほしい。そこに住んでいる人がいてというのがイメージできれば行動も変わるのかなと思う」
小樽市ではイラストと複数の言語で注意喚起した張り紙で周知していますが、いまだ有効な手立てがないといいます。
迷惑行為のほか、観光客が集中することによる「混雑」について対策を進めるのが、天狗山ロープウェイです。
映画のロケ地とあって、この日も多くの外国人観光客が列を作っていました。
(中央バス観光開発株式会社 中野弘章常務取締役)「混む時間については下の方に高校とかもあるので、天狗山の始発から乗るとすぐ乗れないという話で苦情があった」
このような問題を受けて混雑する時間帯のバスを増便。
さらに整理員を配置して安全を確保するなど対策を進めています。
(中央バス観光開株式会社発 中野弘章常務取締役)「少しでも快適に楽しい思い出を作ってほしいと思っているので、受け入れ態勢を頑張っていきたいと思っている」
「地元住民の暮らし」と「観光」の両立について試行錯誤が続く小樽市。
相次ぐ迷惑行為によって大きな事故が起きることのないよう「ルールを知ってもらう」対策が急がれます。