札幌・ホテル戦線異状アリ?相次ぐリニューアル「高級路線」に…「外資系続々進出」の地殻変動
札幌のホテルが、高級路線の宿泊プランに力を入れています。
背景には過去最多となった外国人観光客や、続々とオープンする外資系ホテルといった、観光業界の地殻変動がありました。
きれいなサシが入った白老町産の黒毛和牛。
だし汁にさっとくぐらせ、しゃぶしゃぶにしていただきます。
(金澤記者)「きめ細かな脂の牛肉が口の中で、一瞬で溶けて旨味が広がります」
札幌市南区の定山渓ビューホテルです。
2024年12月25日から、旬の食材をふんだんに使った食事が楽しめる高級プランをスタートします。
(金澤記者)「最上階のロイヤルスイートルームです。額縁をイメージした窓からは、定山渓の景色をまるで絵画のように楽しめます」
上層階の15階と16階は、ハイグレード・フロアとしてリニューアルオープン。
定山渓の自然を独り占めできる眺めの良さが魅力です。
思い切った高級路線に、打って出たわけとは―。
(定山渓ビューホテル 大沼和人総支配人)
「冬の時期でも来ていただける客ということで、インバウンドの方も対象にしている」
北海道の宿泊業界にとって、冬は国内客の動きが鈍る閑散期です。
一方で、雪を楽しみにやってくるのが外国人観光客。
日本を訪れた外国人観光客は、過去最多の3338万人に上っています。
ホテルは富裕層向けのプランで、外国人観光客に向けてアピールするとともに、ロウリュ付きサウナを新設するなど、新たな客層の取り込みも狙っています。
(定山渓ビューホテル 大沼和人総支配人)「いままでの定山渓ビューホテルとは一線を画す形で。贅沢っていうところをいちばんで作っているので、ゆっくりと楽しんで過ごしてほしい」
札幌・中心部のホテルです。
(阿部記者)「プリンスホテルでもリニューアルが進んでいます。ゴージャスでくつろげる空間と、札幌を一望できるこの景色が魅力です」
22階から27階の高層階を、富裕層向けの「クラブフロア」としてリニューアルしました。
背景にはこんな事情がー
(札幌プリンスホテル 泉水誠之総支配人)「いろんなホテルが進出、もしくははリブランドしているところです。対抗していきたいと考えています」
札幌市内では、「コートヤード・バイ・マリオット」が2024年7月にオープンしたほか、2025年10月には「インターコンチネンタル札幌」が進出する予定です。
外資系ホテルのターゲットは「長期滞在する富裕層」です。
プリンスホテルではこうした客層を取り込もうと、ラウンジの料理に道産食材をふんだんに使うなどリニューアルしました。
コンセプトは「1日中過ごせるホテル」です。
(札幌プリンスホテル 泉水誠之総支配人)「外資系の進出は私たちとして認識していますし意識もしています。周辺のホテルと協力と競争をしながら、札幌の魅力をいろいろなところに伝えていければと考えています」
外国人観光客に外資系ホテルー
宿泊業界が大きな変化を迎える中、札幌市内のホテルでもインバウンドに照準をあてた高級路線へのリニューアルが、加速化しています。