物価高リフト代高騰…インバウンドで賑わうも「地元客離れ」防ぐ工夫あれこれ 北海道のスキー場
本格的に雪が降り、シーズンを迎えているのがスキー場です。
しかし、電気代や人件費高騰でリフト券が値上がりしています。
客離れを防ごうと、スキー場では新しい試みを始めていました。
2024年12月17日、スキーヤ―で賑わっていたのは「サッポロテイネスキー場」です。
ゲレンデでは地元住民や多くの観光客が雪の感触を楽しんでいました。
(石黒記者)「築30年ほどのレストランもリニューアルされました」
ハイランドスキーセンターにあるレストラン「スカディ」では、老朽化のためモダンな内装へと全面リニューアル!
さらに、今シーズンから新メニューとして登場した「テイネカレー」は、スノーボード型のメンチカツが特徴で、一番人気となっています。
しかし、やっとシーズンを迎えたスキー場ですが、いま「物価高」に頭を悩ませています。
(サッポロテイネスキー場 宮川卓也さん)「物価高で電気代や人件費や燃料費が高騰しているので、コストの問題で値上げせざるを得ないということでございます」
そこでサッポロテイネスキー場では、リフト券の値上げに踏み切りました。
レギュラーシーズンの1日券を6600円から8200円に。
昨シーズンから1600円の値上げとなります。
一方、値上げの波は札幌以外にも。
インバウンド客でにぎわうのは、倶知安町にあるスキー場「ニセコ東急グラン・ヒラフ」です。
ここでも今シーズンから1日券7800円が9500円に値上げとなりました。
(地元住民)「インバウンドも増えてきたし、それなりの価格になってきちゃったかな。やむを得ないかなって感じですね」
値上げ後も多くの人に利用してもらおうと、これまでのリフトに変わり、2024年の冬から「エースゴンドラ」の運行を開始。
10人乗りで輸送力が高く、スキーを履いていなくても山頂からゴンドラで降りてくることもできるため、アジア圏の観光客が多く利用しているといいます。
(台湾から来た人)「静かで速くて並ばずにすぐに乗れます」
(ニセコ東急グラン・ヒラフ 立壁邦史さん)「値上げをした分、利便性や快適性を追求してやっていきたい。値段に見合うような施設にしていきたい」
先ほどのサッポロテイネスキー場でも、新しいチケットの導入が。
(石黒記者)「リフト券が値上げする中、新しく導入されたのが25時間券です。価格は25時間で2万5000円。1時間あたり1000円で従来のチケットより単価が安くなるといいます」
(サッポロテイネスキー場 宮川卓也さん)「こちらのセンサーにかざすだけでゲートが開きます。そしてこちらに残りの時間が表示されます」
ゲートにかざしてから1時間単位でリフトを使用でき、日をまたいでも使うことができます。
さっそく利用しているスキーヤーも。
(札幌市民)「安いなと思います。5時間滑れば5000円だけど、混んでいるから帰ろうかなと。1時間滑ったら1000円だから。便利です」
(サッポロテイネスキー場 宮川卓也さん)「北海道内・札幌近郊から複数回来る方も多いので、そういった方に何回も来ていただきやすいリフト券を発売したいという思いからこぎつけた」
インバウンドが増えている中、「道民離れ」を防ぐため、スキー場が知恵を絞り、さまざまな対策を打ち出しています。