どうなる敬老パス 市議会傍聴席には市民入りきらず… 札幌市が敬老パス制度残す新たな案を発表
制度の見直しが進む札幌市の敬老パスに新たな動きです。
市は歩数などに応じて交通機関で使えるポイントがたまるアプリを導入する一方、「敬老パス」の制度も残す新たな案を発表しました。
札幌市の地下歩行空間。
80代の女性が持ち歩いていたのは「敬老パス」です。
(札幌市民)「足りないくらいに使っているから。助かるからこれなかったら困りますね」
70歳以上の高齢者に発行される敬老パスは、最大1万7千円の自己負担で地下鉄やバスなどが最大7万円分利用できます。
いま、この制度の見直しが進められています。
市は当初、ウオーキングや健康イベントへの参加で、交通機関で利用できるポイントが付与される制度を検討していました。
しかしー
(署名活動)「札幌の敬老パスを守ろうと署名をお願いしております」
スマートフォンを利用しなければいけないことや、利用上限額が2万円分に減額されることに高齢者から強い反発があり、案の見直しを迫られていたのです。
12日の札幌市議会。
傍聴席に入りきらないほどの市民が集まる中、発表された新たな制度案がこちらです。
2026年度から「健康アプリ」を導入する一方、「敬老パス」の制度も残します。
新たな敬老パスは対象年齢が75歳以上に引き上げられ、上限額は4万円に引き下げられます。
一方、健康アプリは65歳以上の場合、ウオーキングなどの「健康増進活動」で付与されたポイントを、交通機関などで使える電子マネーに交換することができます。
運動などでポイントを貯める健康アプリの利用を促しつつ、敬老パスの制度も残すといういわば折衷案に市民からはー
(札幌市民)「ポイントとかって面倒ですよね。スマホでも最小限しか使わないから、現状でやっていくのが無理だったらこっち(新制度案)がいい」
一方、敬老パスの存続を求めてきた団体は、なぜ対象年齢の引き上げたのか疑問を感じています。
(札幌敬老パスを守る連絡会 木村俊二共同代表)「高齢者の方々が生きがい的にいろんな社会活動をできるようにということであれば、現行の70歳をなぜ75歳にするのかという部分で非常に疑問を持っています」
敬老パスの新たな制度案は、今月18日からの定例市議会で審議される見通しですが、反発する高齢者からどれだけ理解が得られるかも課題といえそうです。