「札幌ドーム」ほっ…今年度は黒字「ネーミングライツあるうちに」次なる一手を打ち出せるか?
大和ハウス プレミストドームを運営する「札幌ドーム」は、今年度黒字となる見通しを示しました。
経営改善に向けた模索が続く中、来年度はさらなる収益が見込めるということです。
(恩田記者)「新しい看板が目を引くプレミストドームです。今年度の純利益は想定を下回ったものの、ネーミングライツの契約などで2期ぶりの黒字を見通せる状況となりました」
「大和ハウスプレミストドーム」という新たな愛称が決定したのは、2024年8月。
(ファン)「SnowMan最高!」
人気アイドルのライブが開催されると、ドームにつながる道はファンで埋め尽くされ…
eスポーツの世界大会では海外からたくさんの観光客が訪れるなど、今年度はプレミストドームが賑わう様子が印象的でした。
(札幌市スポーツ局 金谷泰亨部長)「新規イベント誘致に積極的に取り組んだ結果、イベント日数が98日から129日に増加し、令和6年度は黒字が見通せる」
運営する札幌ドームは2023年度、6億5100万円の赤字となり、厳しい経営状況にありましたが、今年度の純利益は2400万円の黒字が見込まれると市議会で報告されました。
2025年度はさらに収益が改善し、4000万円の黒字を想定しているということです。
(札幌市スポーツ局 金谷泰亨部長)「コンサートの開催日数の増加やネーミングライツが1年分になること、現時点で想定できる増収要素を反映し、現実的な見通しであると考えています」
この勢いを確実にしたい札幌市は、さらにドームの利用を促進するため、新たな予算を検討しています。
主催者にとってネックとなるのが、大規模なもので1日847万円という高額な利用料金ですが、平日に初めてイベントを実施する主催者には利用料を半額に。
夏休みなどに市民が無料で参加できるイベントを実施する場合は、なんと9割を減免するという計画です。
専門家は、いまはまだ年間2億円以上のネーミングライツの広告収入に頼っている状況だと指摘します。
(北海道大学 石井吉春客員教授)「当面ネーミングライツ収入が安定的に入る範囲においては一定の売り上げを確保できるので、その間にどう経営をブラッシュアップするかを考える必要がある」
黒字転換に安心せず、公共施設としての役割を果たせるドームをいかに継続していくか、知恵を絞って取り組んでいく必要があります。