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「安心感がある」居場所を知らせる発信機を携帯 素早い救助活動へ 知床で観光船の運航始まる

2024年4月29日 18:43
「安心感がある」居場所を知らせる発信機を携帯 素早い救助活動へ 知床で観光船の運航始まる

北海道知床の大自然を間近に楽しめる小型観光船が、28日から今シーズンの運航を開始しました。

2022年の沈没事故を受け、安全対策が強化されています。

(ガイド)「あれあれ、分かるかな?」

(観光客)「ほんとだ、クマだ」

雄大な自然が魅力の世界遺産「知床」。

そんな知床を海から楽しむことができる小型観光船が、28日から今シーズンの運航を開始しました。

(兵庫県から来た人)「すごい景色が見られて来たかいがあります」

(子ども)「クマとかきれいな海が見られてとてもいい思い出になりました」

双眼鏡を片手に自然を満喫している観光客を見てみると、首には緑色の小さな端末がぶら下がっています。

(ゴジラ岩観光 神尾昇勝さん)「これはよびもりという救助を呼ぶシステムで」

船に乗る前に乗客へ手渡される「よびもり」は、今シーズンから新たに導入された安全対策のひとつです。

GPSで居場所を知らせ、救助を求めることができる小型の発信機です。

もしものとき、乗客が端末のボタンを押すと、専用アプリをダウンロードしたスマホに位置情報が届く仕組みで、通知を受けた地元の漁師などが、その位置情報をもとに救助活動を始めることができるため、素早い救助につながります。

斜里町では、漁師や小型観光船事業者が導入を進める予定で、2023年に行った訓練では、わずか11分で救助が完了しました。

(埼玉県から来た人)「あったほうが絶対に良いと思います、こういう対策は。安心してこういう観光を楽しむためには有料でも使いたい」

(東京から来た人)「船にも安全対策をしているとは思うけど、乗船したお客さんも自分でアクション出来るものがあるのは安心感がすごくあるなと思いました」

また、国や携帯電話事業者などは、知床半島の通信環境改善に向けて基地局の整備を進めています。

2022年に観光船事故が発生した知床半島西側の海上エリアでは、先月からNTTドコモがサービスを拡大していて、来年度には知床半島周辺で圏外が解消される予定です。

(ゴジラ岩観光 神尾昇勝さん)「初便が無事に戻ってきて安心している。よびもりと一緒に地域と共同していくということで、自分たちで用意している安心プラスアルファということになる。安心して楽しめる環境だと思います」

知床の観光に暗い影を落とした事故から2年。

マチや事業者が取り組む安全対策のひとつひとつが、観光客の信頼を取り戻すきっかけになればと期待されています。

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