北海道・知床半島沖で観光船が沈没し、乗客ら２６人が死亡・行方不明となった未曽有の事故から２３日で２年となります。

追悼式が開かれ、被害者家族らが参加しましたが、観光船を運航していた桂田社長は姿を見せませんでした。

（恩田記者）「知床の自然を楽しみに訪れた観光客を乗せ、このウトロ港から出航した小型観光船カズワン。事故からきょうで２年となります」

（カメラマン）「知床半島沖合の上空です。観光船の姿は見当たりません」

２０２２年４月２３日、知床半島沖で観光船ＫＡＺＵⅠは乗員・乗客２６人を乗せ、海底１２０メートルに沈みました。

２０人の死亡が確認され、いまも６人の行方が分かっていません。

事故から２年。

斜里町で追悼式が営まれ、被害者家族を含むおよそ１５０人が出席しました。

事故が発生したとみられる時刻にあわせ、町内で鳴り響いた追悼のサイレン。

被害者家族の帯広市の男性は式に出席せず、いまも家族の帰りを待っています。

（帯広市の男性）「２人を待ち続けていたいという気持ちがあるので、追悼式に参加したくない。２人に手を合わせることはできない」

町内に設けられた献花台には、いまも多くの花や手書きのメッセージが。

２３日も町民らが訪れ、花を手向けました。

（斜里町民）「まだ見つかっていない方がいるので、少しでも見つかるといいなって気持ちで来ました」

（桂田社長）「この度はお騒がせしまして大変申し訳ありませんでした」

海上保安庁は、観光船を運航していた知床遊覧船の桂田精一社長を、業務上過失致死の疑いで捜査しています。

去年に続き、ことしも追悼式に姿を見せることはなく、自身の名前で花を届けただけでした。

桂田社長に対しては、被害者家族らおよそ３０人が札幌地裁に集団訴訟を起こす方針です。

また、被害者家族らは２３日に斜里町長と面会し、事故を風化させないために慰霊碑の設置を求めました。

（斜里町長　山内浩彰町長）「しっかりと受け止めながらこれから考えていきたい。今後もご家族との対話の機会を続けていきたい」

未曽有の事故から２年。

被害者やその家族の苦しみはいまも癒えることはありません。