【特集】 夏の参院選へ 選挙イヤー幕開け 現職と新人2人 立候補予定者は年末年始も駆け回る《新潟》
2025年の県の課題や注目の人に焦点を当てこの1年を展望するシリーズをお送りしています。今回は参議院選挙についてです。
立憲民主党の現職に対し、新人2人が挑みます。 夏の政治決戦へ。 立候補予定者は年末年始も県内を駆け回りました。
◆立憲民主党 打越さく良さん
1月7日、労働団体の新年会。 会場であいさつをして回るのは参議院・新潟選挙区の現職、打越さく良さんです。
そして、初競りにも参加し、勢いよく「宝船」を競り落としました。
〈立憲民主党 打越さく良さん〉
「誰ひとり取り残さない様々な困難や問題を抱えた人達の声を丁寧に聞いて政治につなげていきたいその1年です」
参院選夏の政治決戦まで半年余り。 議席の奪還を目指す自民党は元競泳選手でオリンピックメダリストの中村真衣さんを擁立。
〈自民党 中村真衣さん〉
「新人として相手の胸を借りて精一杯まい進できるように頑張りたい」
◆参政党 平井恵理子さん
さらに参政党も名乗りを上げます。
〈参政党 平井恵理子さん〉
「普通のお母さんたちが感じていることが政治に生かされないと生活は変わらない」
◆新潟県選挙区の定数は「1」 三つどもえの混戦か
新潟県選挙区の定数は1。 三つ巴の混戦が予想されています。
去年の大みそか。
Q)寒さは得意?
〈自民党 中村真衣さん〉
「そりゃあねえ、新潟、長岡出身ですから」
コートを着込み神社の前で名前を売り込んだのは自民党の中村さんです。
シドニーオリンピックで銀メダルを獲得。オリンピックメダリストとしての知名度が強みです。 自民党県連の公募を経て公認候補に決まりしました。
〈自民党 中村真衣さん〉
「収入格差で経験格差が生まれると言われていますが、私は実は片親で、母親しかいません。決して裕福な家庭で育ったわけはないですが、やはり水泳があったおかげでいろんな経験ができたと思っています」
自分の育った環境から、スポーツの振興や子どもの支援に力を入れたいと訴えます。
選挙は初挑戦。 鷲尾英一郎・前衆議院議員が政治家としての心構えを伝えます。
〈自民党 前衆議院議員 鷲尾英一郎さん〉
「応援団を作りましょうみたいな感じで始めるといいよ」
〈自民党 中村真衣さん〉
「後援会とは別?」
〈自民党 前衆議院議員 鷲尾英一郎さん〉
「一緒。後援会みたいなものを作り上げていくといいと思う」
〈自民党 中村真衣さん〉
「いやーもう、初めてなんで」
去年の衆議院選挙。自民党は県内の選挙区で全敗。 この夏の参院選は負けられない戦いです。自民党の看板を背負う中村さん。 笑顔の裏に緊張感がにじみます。
〈自民党 中村真衣さん〉
「選手の時は……そっとしておいてという時もありましたが、まだまだ……余裕がなくなると笑顔がなくなるんでしょうけれどまだ余裕がある証拠なんでしょうね。これがだんだん1月、2月、3月……となるとだんだん余裕がなくなってくるかもしれない」
もうひとりの新人、参政党の平井さんは3連休中に初めての街頭演説に臨みました。 手にメモしたのは演説内容です。
〈参政党 平井恵理子さん〉
「話す順番ですね飛ばないようにと思って書いたんですけれど、手のしわにインクが入り込んでもはや見えません」
平井さんは新発田市出身で現在は生命保険会社に勤務しています。 参政党の政策に触れ、政治の道を志しました。 初の演説前は緊張した様子。
〈参政党 平井恵理子さん〉
「テレビに出るような大物政治家は生活に困っているようには思えません。野菜の値段、日用品の値段、冬の電気代、そういったことがわからない方も多くいるんじゃないでしょうか」
減税と、積極財政による景気回復を柱に「主婦目線」での政治改革を訴えました。
〈参政党 平井恵理子さん〉
「ひとりのお母さんとして訴えることができればみなさんに声が届くのではと思っているので伝える力を磨きたい」
挑戦を受けて立つ立憲民主党の打越さん。 選択的夫婦別姓の実現や男女間の賃金格差解消を訴えます。
〈立憲民主党 打越さく良さん〉
「95%の女性が改姓をしている明らかにジェンダー不平等。ことしの参議院選でまっとうな政治ボトムアップの政治を実現する」
弁護士資格を持ち、2019年の前回選で初当選。 2期目をかけた戦いです。
〈立憲民主党 打越さく良さん〉
「石破さんは地方の女性たちの多様な幸せを感じられるようにしたいとおっしゃっている。それ本当にその通りなんですけれどそれを言うなら多様な幸せのかたち、選択的夫婦別姓とかしっかり実現していくべきだろうという筋をガンガン言っていきたい」
立憲民主党は去年の衆院選で議席を伸ばし、少数与党に追い込む要因をつくりました。 この勢いのまま参院選へ挑む構えです。
〈立憲民主党・西村智奈美 県連代表〉
「衆議院では野党の数を足し合わせれば数は多いが参議院はまるで逆転をしている衆議院と参議院はまるで別の世界の国会のよう。果敢にチャレンジャーとして臨んでいく」
2019年の参院選カギを握るのが野党共闘です。 打越さんは前回無所属で出馬し、「野党統一候補」として勝利しました。 今回は、立憲民主党の「公認候補」のため、前回のようにほかの党と連携できるかは、まだわかりません。 必勝を誓う会合に駆けつけた野田代表は。
〈立憲民主党・野田佳彦 代表〉
「多くの政治団体、政党のご理解をいただいたて応援をしてほしいと思いますので気持ちの上では統一的な支援をいただければ」
選挙県内で力を発揮してきた野党共闘。 実績がある一方、共産党との「距離感」も常に課題となってきました。 これについて、共産党の県組織は。
<共産党 樋渡士自夫 県委員長>
「与党をまず過半数割れに追い込みたい。そのためには1人区で勝つには共闘しかない。県議の6割は自民党でしょう。立憲民主党は数えるほどしかいない。その新潟でなぜ立憲民主党がこれだけ取るのかなとなったら、私は共闘しかないと思っている」
対する自民党にも課題が……。 候補者の選考をめぐって県連内には比例代表選出で県連会長の佐藤信秋参院議員を推す声もありました。 佐藤議員が応募を撤回したことで中村さんに決まった経緯があります。 しこりを乗り越えて一枚岩になれるのか。
〈自民党 石井修 県議団長〉
「一挙手一投足全部見られていますから心して臨んでください。よく習ったほうがいいと思いますよ」
〈自民党 中村真衣さん〉
「緊張感がありました。しっかりと受け止めて頑張りたいと思います」
年明け……。賀詞交換会でライバル同士が顔を合わせる場面も。 中村さん、現職の打越さんにあいさつします。
〈立憲民主党 打越さく良さん〉
「新潟県では5つの小選挙区すべてを制することができた。私はその勢いをお借りすると図々しくはいけないので私は私で訴えを重ねていく」
〈自民党 中村真衣さん〉
「すべてのことが初めてのことなのでそういった意味では1日1日常に刺激のある毎日を過ごすと思いますので。“脱皮”と言っていましたけれど新しい自分も見つけながらこの1年頑張っていけたらなと思っています」
夏の参院選へ。 選挙イヤーが幕を開けました 。