【特集】来年夏の参院選に向けて 新潟では衆院選で立憲が全勝 カギ握る「野党共闘」のゆくえ 《新潟》
ことし10月に行われた衆議院議員選挙。
自民党は県内すべての小選挙区で立憲民主党に敗北。
体制の立て直しが急がれる中、来年夏には参議院選挙があります。
今回の結果がどう影響するのか……一方の野党も共産党との連携の在り方が課題となっています。
衆院選のウラで奔走した参院選の立候補予定者について振り返ります。
◆5つの小選挙区で自民党は全敗
雨が降る中迎えた衆院選の開票日。
テレビ見つめる幹部たち自民党県連の幹部が集まる部屋には重苦しい空気が流れていました。
立憲民主党に相次いだ「当選確実」。
5つの小選挙区で自民党は全敗。 比例復活での議席確保にとどまりました。
〈自民党県連 岩村良一 幹事長〉
「きょうは笑顔はやめとくよ」
〈自民党県連 佐藤信秋 会長〉
「大変厳しい結果でした。巻き返しをしていかなければならない」
〈自民党 比例復活 斎藤洋明氏〉
「小選挙区の議席を守ることができなかった」
〈自民党 落選 細田健一氏〉
「本当に申し訳ないんですがこのままでは終われない!」
いわゆる裏金問題の影響で自民党は議席を56減らし、一方の立憲民主党は50議席を増やしました。
新潟だけではなく全国で大敗を喫した自民党。
「政治とカネ」の問題がこれでおさまるのか見通せない中、来年夏には参院選を迎えます。
〈自民党 比例復活 斎藤洋明氏〉
「この参院選で自民党が変われるのかどうかという再度審判を受けることになる。この参院選をしっかり戦える体制を作るということが政治的には最重要」
その自民党が参院選の公認候補に掲げるのは……。
新潟選挙区で、自民党から立候補予定の中村真衣さんです。
自民党は11月28日、来年の参院選公認候補として、元競泳選手の中村真衣氏を新潟選挙区で擁立することを発表しました。
中村さんは長岡市出身の元競泳選手、シドニーオリンピック銀メダリスト。
今回の衆院選では地元・長岡市を選挙区とする鷲尾英一郎さんと活動し、名前を売り込みました。
抜群の知名度を誇りますが政治の世界は初挑戦。
演説会場を鷲尾さんと共に周り、経験を重ねました。
〈自民党 中村真衣氏〉
「すみません鷲尾さんをよろしくお願いします」
〈自民党 鷲尾英一郎氏〉
「中村真衣ちゃん!中村真衣ちゃんね。この会場が初演説」
〈自民党 中村真衣氏〉
「新しい長岡、より良い長岡を皆さんと共につくっていくことも地元の国会議員には求められることだと思います」
「批判だけでは政治は何も変わらない」と訴え地域の声を国政に届けたいとします。
経験が少ないぶん、毎日が勉強の日々です。
〈長岡市民 男性〉
「真衣さんでっけえ大きいてば!さすがオリンピアン」
〈長岡市民 女性〉
「お願いしたいわ長岡のために」
参議院対する立憲民主党は…… 。
〈立憲民主党 打越さく良 参議院議員〉
「看板を変えただけで新しくなったかのようなそんなポーズをする自民党に対してしっかりと立ち向かっていかなければならない」
現職の打越さく良参議院議員です。
2019年の参院選で野党統一候補として出馬し、初当選を果たしました。
衆院選では立憲民主党の候補者の支援に全力。
米山夫妻と共に裏金問題を受け自民党への逆風……そして立憲民主党への追い風を感じていますが……。
夏の参院選まであと1年足らず。
自らを奮い立たせます。
〈立憲民主党 打越さく良 参議院議員〉
「私も大切な1議席ですからしっかり守っていきたい」
打越さんは格差の解消や選択的夫婦別姓の実現を訴えています。
しかし、現職といっても北海道出身で新潟には縁もゆかりもない打越さん……当選後も活動量の少なさを指摘する声もあります。
〈立憲民主党 打越さく良 参議院議員〉
「厳しいに決まっているじゃないですか。でも厳しいからには……盛り上げていくしかない!」
勝敗のカギをにぎるのは野党共闘です……。
今回の衆院選で共産党は新潟1区に候補を擁立しましたがそのほかの4つの選挙区には擁立を見送りました。
そのため、共産党の支持層が立憲民主党の候補に投票したとみられます。
その結果……得票数をみると、県内30市町村のうち24の市町村で立憲民主党の候補が自民党の候補を上回りました。
立憲民主党の支持団体で「非共産」の立場を取る「連合新潟」はこの衆院選での共産党の動きについて……。
〈連合新潟 小林俊夫 会長〉
「共産党としての動きではなくて共産党に属する方々のそれぞれの判断で動かれているということだと理解をしているそこまでに対して私どもがどうのこうのいう話ではない。ただ(共産党が)あまり表立ってということになると私たちも動きが難しくなってくる」
次の参院選でも連合と共産との距離間……野党連携の在り方が注目されています。
議席を守ろうとする現職。
〈立憲民主党 打越さく良 参議院議員〉
「権力にすがりつくためには国民との約束もすぐ反故にしてしまうようなそういったことは誰がトップになっても変わらない来年の夏もそういった自民党の本質は変わらないと思うのでしっかりと戦っていきたい」
浸透を図る新人。
狙うのは自民党の議席奪還!
〈自民党 中村真衣氏〉
「私もこういう方と一緒に新潟のために頑張りたい」
〈自民党 鷲尾英一郎氏〉
「ちょっと演説うますぎるんじゃないの(会場笑)」
〈自民党 中村真衣さん〉
「相手がどういうかたがこようがスポーツもそうですけれどとにかく精一杯自分ができることを頑張らなければ結果もついてきません。もう戦いですのでしっかりと頑張っていきたい」
中村さんは参院選の公認候補として、活動をさらに本格化させます。
県連によると「本人による出馬表明の場も設けたい」(幹部)ということです。
一方の打越さんは12月1日に後援会総会を開催。党代表の野田佳彦氏も招き、参院選へ向けて結束をはかります。
夏の参院選まで、1年を切っています。
それぞれの課題を抱え、決戦の時はは少しずつ近づいてきています。