【特集】干支「ヘビ」と人との関わりは紀元前から 縄文土器にヘビの装飾!? 干支が地名に!? 十日町市"巳”に住む人々を訪ねてみた《新潟》
カメラに興味津々のワンちゃん。
ちょっぴり怖がりなねこちゃん。
およそ50種類の動物と触れ合える新潟市のアニマルカフェ。
ことしの主役といえば?
干支の「巳・ヘビ」です。
こちらでは首に巻いて触れ合えるということで…。
《記者》
「ん~!ちょっと動くとドキドキしちゃうけど。おとなしくていい子ですね。すごく。」
怖い印象を持たれがちなヘビですが、性格はおとなしく、かわいらしい表情も垣間見えました。
《エキゾチックアニマルカフェRicky 店員 奈良橋憩さん》
「ヘビさん自体「生命力の象徴」と言われている動物なのでヘビさんにぜひ触れ合いに来てください。」
神の使いとも言われ、神社に祀られることもある「ヘビ」。
人とのかかわりは、紀元前までさかのぼるといいます。
それを確かめに向かったのは十日町市。
こちらは地元で出土した国宝・火焔型土器です。
十日町市は土器をはじめとする出土品が数多く見つかっていて、縄文時代遺跡の宝庫です。
さまざまな装飾が施された土器の中に含まれていたのが…。
《十日町市博物館 菅沼 亘 館長》
「こちらがヘビの装飾が付いた縄文時代の土器です。この辺、粘土を張り付けてヘビの装飾を付けている。」
Q本物ですか?
「はい本物の土器です。」
いまから5000年前、縄文時代中期につくられたこちらの土器。
施された装飾は、言われてみれば、ヘビがふちに向かって下から這い上がったり、とぐろを巻いたりしているように見えます。
博物館によれば、長野や山梨でもヘビを象った土器が数多く出土していることから、こちらもヘビの模様とみられています。
縄文時代の人々はなぜ土器にヘビの模様をつけたのでしょうか?
《十日町市博物館 菅沼 亘 館長》
「(ヘビは)脱皮しますので、そういうことで「生と死の再生」という意味でこういうヘビの模様をつけたんじゃないか。」
自然を敬い、厳しい環境の中で命をつないできた私たちの祖先。
《十日町市博物館 菅沼 亘 館長》
「当時は自分たちの生活が苦しかった。よく生活をしたいというような意味を込めて縁起物の動物の模様をつけたのではないかと言われています。」
土器の飾りには先人たちの強い思いが込められているのかもしれません。
と、ここで館長からヘビにまつわる新たな情報が!
《十日町市博物館 菅沼 亘 館長》
「十日町市には巳という漢字がついている地番があります。」
《記者》
「巳。あのヘビの?」
《十日町市博物館 菅沼 亘 館長》
「へびの巳です。」
なんと、十日町市には、「巳」と名のつく地域があるのです!
博物館から車を走らせること5分。
《記者》
「このあたりが十日町市巳ですね。住宅が何軒かありますね。」
博物館によると明治時代、十日町市内の地域は役所を中心に子丑寅卯・・・と十二支にちなんだ地番が付けられました。
多くは使われなくなりましたが、こちらでは「巳」という地番がいまなお使われ続けています。
まず訪ねたのは金沢屋酒店。
《記者》
「テレビ新潟なんですけど、こちらって「巳」がつく地域ですか?」
《金沢さん》
「そうそう。巳甲とかね」
《記者》
「干支は何年ですか?」
《金沢さん》
「私、寅。へへへ残念でした」
《記者》
「お近くに住んでいる方でそのくらい(巳年)の年齢の方ご存じないですか?」
《金沢さん》
「ん~・・・前のうちがあれかな」
伺った金沢さんは3年前まで地区会長を務めていたそうです。
近所の住宅を案内してくれますが…。
《巳の住民》
「(巳年は)72歳になるわけですけど、おれは丑ですから」
さらに別のお宅でも…。
《記者》
「ヘビ年生まれの方を探してるんですけど、干支は?」
《巳の住民》
「オラ、辰、84(歳)」「83歳の人をそこら探せばいいな。」
なかなか見つからない巳年…。
協力いただいた金沢さんと別れ、さらに探します。
《記者》
「干支はなんですか?」
《巳の住民》
「私、犬。」
《記者》
「戌ですか。」
《巳の住民》
「お家にヘビ年の方は?」
《巳の住民》
「いないですねぇ。」
《記者》
「わかりました。ありがとうございます。」
《巳の住民》
「ちょっとわからないです。」
《記者》
「わかりました。すみません。わざわざありがとうございます。」
新潟県内の巳年生まれの人口は推計で16万8000人。全体に占める割合はおよそ8パーセントです。
巳に巳年の人はいないのか…。
探して2時間。
諦めかけたその時…。
《記者》
「奥様、干支は?」
《巳の住民》
「私が巳。巳年になるんです。いま83。」
《巳の住民》
「84になる?」
《巳の住民》
「そうすると巳年」
《記者》
「おめでとうございます!おかあさん!」
ようやく出会うことが出来た巳年の年女、根津もりさん。
昭和16年生まれの83歳。子ども、孫、ひ孫の9人で暮らしています。
そんな根津さんに、ことしの目標を書いてもらいました。
《巳の住民 巳年の根津さん》
「春になると、山にうど・ぜんまい取りに行きます。畑仕事をします。」
《記者》
「うどにぜんまい、豊作だといいですね!」
《巳の住民 巳年の根津さん》
「枝豆を一杯つくってね、人にあげるの。」
ヘビが導いてくれた十日町の歴史と温かな人々との出会い。
縄文時代からから続く人とヘビの関りはこれからもなが~くなが~く続いていきます。
2025年1月8日「夕方ワイド新潟一番」放送より